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2019ベルギー王立モネ劇場公演 オッフェンバックの歌劇「ホフマン物語」を NHKプレミアムシアターで観る


ジャック・オッフェンバック(Jacques Offenbach, 1819-1880)の人気オペラ「ホフマン物語, Les Contes d'Hoffmann)ですね。昨年(2019)のベルギー王立モネ劇場の公演です。

ホフマン物語といえば一人四役を演じる事ですよね。5幕中の四つのシーン(1,5.ルーテルの酒場 - 2オランピア - 3.アントニア - 4.ジュリエッタ)でそれぞれの役になりますね。役名が変わるだけで本質的には同じ様な役ですが。(このブログ的にはアルバン・ベルクの「ルル」を思い浮かべます)

未完成作品なので補筆版が多く存在しますが、現在のスタンダード"ケイandクック版"での上演です。



(公式Trailerです)


演出
演出家のヴァルリコフスキには知見がないのですが、現代のハリウッドに置きかえてホフマンを錯乱気味の映画監督にしています。

オリジナルと変えてあるのは次のシーンで、いずれも映画の引用が主です。■1.オリジナルに無い英語の台詞(プロローグと第三幕ラスト)挿入。本編はもちろん仏語ですが。また■2.第三幕のアントニアは死にません。■3.最後はオスカーの授賞シーンで、監督ホフマンが(英語で)割り込んで来ます。(ラストは中途半端感を拭う様にミューズが現れて救済シーンです)

全体的にはその置きかえが中途半端な印象です。もっと極端に、アヴァンギャルドに!!、ですね。


舞台・衣装
舞台は大画面のプロジェクション・マッピング、暗い舞台、シンプルな道具配置。キャストはケバケバしい化粧、今風の安っぽい衣装で大胆下品風、と言った感じです。今風ですが、衣装は内容のわりにインパクトが足りない感じですね。


配役
【男性陣】タイトルロールのE.カトラーは それなりに演技も作ってテノールも程々に生きていた感じです。リンドルフ(他)のG.ブレッツは敵対するイメージは合っていましたね。ただバリトンがややテノール風で対比感が弱かったかも。メイクは明らかにジャック・ニコルソンの映画"ジョーカー"のパロディでしょう。アンドレス(他)のL.フェリックスは存在感が弱かったですね。

【女性陣】注目のオランピア(他)のP.プティボンですがsopはともかく あまり面白さがありませんでした。これは完全に演出の問題でしょう。ニクラウスとミューズのM.ロジェが一番個性的な印象を受けましたね。mezと演技はそこそこなのですが存在感がありました。

キャストが今ひとつ感だったのは演出による処が大きかったのでは無いでしょうか。(個人的にあまり好みの演出ではありませんでしたから)


音楽
指揮のアルティノグリュにも知見がないのですが、強音パートはともかく静音パートが弱かった感じがしますね。



どの幕もオリジナルに対するハリウッド置きかえが中途半端で、それが全ての印象の足を引っ張っていた感じです。

舞台の置きかえをするならその落差も徹底的であって欲しかったです。"これじゃ歌詞と合ってないよねェ"くらい前衛に!!w


<出 演>
 ・ホフマン:エリック・カトラー [Eric Cutler]
 ・オランピア/アントニア/ジュリエッタ/ステッラ:パトリシア・プティボン [Patricia Petibon]
 ・ニクラウス/ミューズ:ミシェル・ロジエ [Michèle Losier]
 ・リンドルフ/コペリウス/ミラクル/ダッペルトゥット:ガーボル・ブレッツ [Gábor Bretz]
 ・アンドレス/コシュニーユ/フランツ/ピティキナッチョ:ロイク・フェリックス [Loïc Félix]

<合 唱> モネ劇場合唱団
<管弦楽> モネ劇場管弦楽団
<指 揮> アラン・アルティノグリュ [Alain Altinoglu]
<演 出> クシシュトフ・ヴァルリコフスキ [Krzysztof Warlikowski]


収録:2019年12月17・20日 ベルギー王立モネ劇場 (La Monnaie)

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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