コリン・カリー登場のカレヴィ・アホ(Kalevi Aho) パーカッション協奏曲「シエイディ」そして前衛時代の「交響曲第5番」
カレヴィ・アホ (Kalevi Aho, b. 1949)
今やフィンランドを代表する、と言うより北欧を代表する現代音楽家ですね。このブログでもインプレ数が多い一人です。
基本的には前衛ではなく、調性感を薄くした今の時代のクラシック音楽という事でしょう。今は調性回帰方向をより強くしていますが、その昔多少の前衛技法を用いた時期があります。生まれた時代が欧エクスペリメンタリズム最盛期で、学生時代は停滞期に入っていましたから、その激流に呑まれる事は無かったという事でしょうか。
基本的には前衛ではなく、調性感を薄くした今の時代のクラシック音楽という事でしょう。今は調性回帰方向をより強くしていますが、その昔多少の前衛技法を用いた時期があります。生まれた時代が欧エクスペリメンタリズム最盛期で、学生時代は停滞期に入っていましたから、その激流に呑まれる事は無かったという事でしょうか。
Sieidi・Symphony No.5
スティーヴ・ライヒと共に来日したのも記憶に新しい、パーカッション・スペシャリストの英コリン・カリー(Colin Currie)による委嘱作品「Sieidi」ですね。民族打楽器から鍵盤打楽器まで9つのパーカッションをソリストととしてステージ前面に並べて各楽器をソロ楽器で協奏曲としています。今回はこれを聴きたいと思いました。
もう一曲は「交響曲第5番」ですが、前衛を覗いた時代のアホの古い作品です。オケが二群に分かれるので指揮者を二人置く、いかにも前衛が欧州を席巻していた時代の名残さえ感じますね。個人的には、この時代のアホの方が好みなので両方が聴き比べられるのは嬉しいかもしれません。
もう一曲は「交響曲第5番」ですが、前衛を覗いた時代のアホの古い作品です。オケが二群に分かれるので指揮者を二人置く、いかにも前衛が欧州を席巻していた時代の名残さえ感じますね。個人的には、この時代のアホの方が好みなので両方が聴き比べられるのは嬉しいかもしれません。
■1. Sieidi Concerto for Percussion & Orchestra (2010)
導入部の民族打楽器は特徴が薄いですが、その後に現れる管弦楽はポリフォニーの嵐の様、続く弦楽奏は打楽器に寄り添う流れですね。処々で明確な旋律が存在しているのも今のアホらしい感じです。マリンバのパートではオケとの静的ホモフォニーの関係が明確に作られ、ヴィブラフォンのパートでは幽玄なカデンツァが採用されていますね。その後は反復要素も入り込んできます。構成感も聴きやすさが優先されている感じです。ラストは民族楽器を使ったノイズですね。
完全に機能和声の音楽で新古典主義回帰的、米国系のクラシック音楽の様な印象です。調性の薄さも不協和音のかけらも見当たりません。打楽器の音に目新しさが感じられないのは残念ですが、実験前衛系ではないので当然かもしれません。
★試しにYouTubeで観てみる?
パーカションはMartin Grubingerです
オケのperc.も三翼配置で面白いですね
完全に機能和声の音楽で新古典主義回帰的、米国系のクラシック音楽の様な印象です。調性の薄さも不協和音のかけらも見当たりません。打楽器の音に目新しさが感じられないのは残念ですが、実験前衛系ではないので当然かもしれません。
★試しにYouTubeで観てみる?
パーカションはMartin Grubingerです
オケのperc.も三翼配置で面白いですね
■2. Symphony No.5 (1975-76)
パルス反復の対位的な弦楽と木管から入って、金管が絡んで来ますね。明確に調性の崩しを感じ、基本はポリフォニー構成ですから個人的に好きな指向性です。前衛的跳躍音階や後半には無調混沌も発生させて面白い構成です。
それでも主軸は調性の薄さを生かした多様性現代音楽と言って良いでしょう。ショスタコーヴィチやプロコフィエフの香りを感じる人がいるかもしれませんね。
それでも主軸は調性の薄さを生かした多様性現代音楽と言って良いでしょう。ショスタコーヴィチやプロコフィエフの香りを感じる人がいるかもしれませんね。
時代の流れに敏感なアホを感じますね。強いメリハリと調性軸足で、いかにもオケからの委嘱が多そうなコンチェルトになっています。
一方、交響曲第5番は調性の薄さを生かした時代のアホで、個人的には惹かれてこちらがオススメです。一枚でアホの音楽推移が楽しめるアルバムですね。
一方、交響曲第5番は調性の薄さを生かした時代のアホで、個人的には惹かれてこちらがオススメです。一枚でアホの音楽推移が楽しめるアルバムですね。
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