アンデシュ・ヒルボリ(Anders Hillborg) の「Sirens」スウェーデンの現代音楽
アンデシュ・ヒルボリ (Anders Hillborg, 1954/5/31 - )
スウェーデンの現代音楽家で、ストックホルムで作曲, 電子音楽, 他を学んでいます。その際に客員教授だった欧エクスペリメンタリズムの雄"ブライアン・ファーニホウ"に習ったのがポイントらしいですが、あまり感じられないかと…
エサ=ペッカ・サロネンとのコラボがキーとなって米オケの委嘱も増えているそうで、今回の「Sirens」もロサンゼルス・フィルとシカゴ響の委嘱作品です。
エサ=ペッカ・サロネンとのコラボがキーとなって米オケの委嘱も増えているそうで、今回の「Sirens」もロサンゼルス・フィルとシカゴ響の委嘱作品です。
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Sirens
管弦楽、一部弦楽奏、にvoiceを交えた作品集で、代表作と言っていいでしょう。タイトルにはelectronicsと明記されませんが、1.には電子処理が入ります。タイトルにsamplerの文字があるのでわかりますかね。
2.のTextはスウェーデンの詩人"グンナル・エーケレ, Gunnar Ekelöf"を元に、4. は古代ギリシャの"オデュッセイア, Homer’s Odyssey"を元にしています。
演奏はロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニーク管弦楽団ですが、指揮はビッグネーム三人が振り分けていますね。1. 2.サカリ・オラモ、3. デイヴィッド・ジンマン、4. エサ=ペッカ・サロネンです。
2.のTextはスウェーデンの詩人"グンナル・エーケレ, Gunnar Ekelöf"を元に、4. は古代ギリシャの"オデュッセイア, Homer’s Odyssey"を元にしています。
演奏はロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニーク管弦楽団ですが、指揮はビッグネーム三人が振り分けていますね。1. 2.サカリ・オラモ、3. デイヴィッド・ジンマン、4. エサ=ペッカ・サロネンです。
■1. Beast Sampler, for orchestra (2014)
ポリフォニーではなくホモフォニーですね。主題や主旋律の様なものはありませんが、無調混沌ではありません。多少のノイズと ロングトーンやトリル・トレモロの様な調性感ある音の塊が入替り移動している様な不思議さがあります。"従来の音楽"と"空間と音響"の中間の様な作品で、フィルム・ミュージックっぽさも感じます。エレクトロニクスはソフトのプログラムだと思いますね。音楽的にはアルバム中一番面白さを感じます。
■2. O dessa ögon, for soprano and strings (2011)
澄んだ弦楽バックグラウンドとソプラノが美しい5'弱の楽曲です。もちろん調性の曲で、透明感が北欧の夜空の様に感じます。
■3. Cold Heat, for orchestra (2010)
機能和声だと思いますが、まるで無調のポリフォニーの様な構成で前衛的に聴こえますね。年代的には1.の様な空間を移動する音塊になる前、と言った音印象になります。当然ながら主題や動機と言った心地良い旋律は存在しません。マニエリスムではありませんが、もちろんエクスペリメンタリズムでも、多様性前衛でもありません。やっぱりこの辺が今の時代のクラシック音楽なのでしょうか。
★試しにYouTubeで聴いてみる?
Andrey Boreyko指揮, Belgian National Orchestraの演奏です
CDよりもリズム感が強調されている感じですね
★試しにYouTubeで聴いてみる?
Andrey Boreyko指揮, Belgian National Orchestraの演奏です
CDよりもリズム感が強調されている感じですね
■4. Sirens, for two sopranos, mixed choir and orchestra (2011)
澄んだ空間とvoiceに音、2.と3.を合体させた様な北欧的透明感の美しい現代オラトリオですね。途中でミニマル的な流れが持ち込まれていますが陶酔感がナチュラルにフィットしています。これは素晴らしい楽曲です。(オラトリオ系に弱い?!w)
前衛実験音楽系ではありません。いかにも米国オケが委嘱しそうな機能和声とフィルム・ミュージック的な管弦楽ですね。
ピューリッツァー賞というよりもアカデミー賞を狙う様な方向と言ったらわかっていただけるでしょうか。1.が音楽的に, 4.が楽曲的に素晴らしく、オススメの一枚です!!
ピューリッツァー賞というよりもアカデミー賞を狙う様な方向と言ったらわかっていただけるでしょうか。1.が音楽的に, 4.が楽曲的に素晴らしく、オススメの一枚です!!