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イヴァン・フィッシャー/ブダペスト祝祭管 の「マーラー "大地の歌"」は美しい表現力ですね

昨日のウラディーミル・ユロフスキに続いて"大地の歌"ですね。マーラーの交響曲の中では、1番, 4番 と並んであまり聴かない方のグループに入りますが…w


イヴァン・フィッシャー Iván Fischer
(Budapest Festival Orchestra, 2017-3)
言わずと知れたI.フィッシャーが創設(1983年)者の一人であり、今も音楽監督を務めるブダペスト祝祭管弦楽団を振った"大地の歌"ですね。長期をかけて進めているマーラー・サイクルから9作目になります。

テノールはロバート・ディーン・スミス(Robert Dean Smith)で、昨日インプレしたユロフスキ盤でも採用されていましたね。バリトンを採用する事もあるアルトはゲルヒルト・ロンベルガー(Gerhild Romberger)です。
R.D.スミスの2019年来日「グレの歌」のヴァルデマル王が素晴らしかったのは昨日書いた通りです。

「大地の歌」流れを少々荒っぽく言えば、テノール(男性)が歌う奇数番楽章は盃を重ねる詩、アルト(女性)が歌う偶数番楽章は人の心の詩、最後の長い第六楽章だけは自然と友を謳う訳ですが、全体として"人は死しても大地は残る"というお話ですね。個別の古い中国の詩の引用ですから、楽章間でストーリー展開がある訳ではありません。




Mahler Symphony "Das Lied von der Erde"



第一楽章「大地の哀愁に寄せる酒の歌」
ペザンテの印象は華々しくアレグロを陰影豊に、テノールは生き生きとしています。管弦楽の展開部は一呼吸入れる様な落ち着いた流れですね。この楽章らしいコントラストが心地良いですね。

第二楽章「秋に寂しき者」
導入部ではob-flが哀愁を美しく奏で、アルトが抑えた感情で入って来ます。展開部は少し穏やかさを見せて、再現部では哀愁から光を感じさせますね。歌詞にフィットした落ち着いて叙情的な緩徐楽章です。

第三楽章「青春について」
スケルツォは五音音階(中華和声)で軽快に弾む様にテノールとフィットさせます。中間部スローは少し影を見せながら、杯を上げる様な心地よい楽章になっていますね。

第四楽章「美について」
導入部コモド(乙女)のアルトは心地よい明るさを、それに合わせるオケの主要主題パートは五音音階を軽妙さで奏でます。中間部の馬で駆ける若者は派手な騎行風に鳴らしてコントラストが見事ですね。詩を上手く表現して聴き応えがあります

第五楽章 「春に酔える者」
アレグロの提示部テノールは雄々しく伸びやかに酔いを表現。展開部二回目の鶯のスローでは少し鬱を見せて重ねる杯を歌います。

第六楽章「告別」
導入部の低弦とobは暗闇を、提示部のアルトとフルートはその情景を静スローの透明感で、友を待つパートでは緩やかな優しさで幸福を表現しています。オケ・パートの展開部は落ち着いた流れから感情を込めると、再現部 王維の「告別」は緩やかに抑えながらも陰影を強く表現してラストの永遠"Ewig…ewig…"に繋げます。


程よいアゴーギクとディナーミクが見事にマッチして予想を上回る表現力で素晴らしい"大地の歌"になりました。

第一楽章と第二楽章のコントラストが素晴らしく、他の全ての楽章も詩を心地よく表現しています。全体としてはソフトな美しさでしょうか。

アルトの歌いは心持ち抑え気味の表現で、テノールも力強さの中にもコントロールの効いた良さを感じましたね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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