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ヴィキンタス・バルタカス(Vykintas Baltakas) の「Ouroboros」エレクトロニクスと室内楽



ヴィキンタス・バルタカス (Vykintas Baltakas, 1972/7/10 - )
リトアニアの現代音楽家で、リトアニアで学んだ後 活動の場をドイツに移していますね。W.リームに師事し、P.エトヴェシュとは仕事をしていました。IRCAMでも学んで、ダルムシュタットでの受賞歴があるとの事です。

指揮者としても前衛系を得意とする様で、アンサンブル・モデルンやクラングフォラム・ウィーンを振っています。本アルバムでも自ら一曲目でLENsemble(Lith­uanian Ensemble Network)を指揮していますね。


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Ouroboros
アンサンブル作品集ですね。タイトルの"ウロボロス"とは自分の尾を飲み込むヘビや龍、丸くリング状になっている、の事で循環性や永続性を表すそうです。

技巧的に"re­cycled, reused"(反復・変奏?)を使っているのが、ウロボロスにあたるとか…w 確かに反復・変奏は主軸で、三曲目タイトルにはサイクル(Zyklus)と入っていますが。

演奏は 2.がクインテットのHet Collectief、3.がお馴染みヨハネス・カリツケ(Johannes Kalitzke)指揮、クラングフォラム・ウィーンにsopでRita Baltaが入ります。(1.は上記の通りです)







1. Lift to Dubai (2009)
  for ensemble and electronics
いきなりエレベーターの中の雑談から始まりますね。エレクトロニクスというかフィールド・レコーディングというか。そこに電子ノイズが絡んでアンサンブルが登場します。アンサンブルの楽器にも一部はエフェクトが掛かっている様ですから、ライヴ・エレクトロニクスにもなっています。
基本的には無調のポリフォニー混沌&エレクトロニクスで反復・変奏や長い単音のが主体になります。そこにTVコマーシャルがテープで挿入されて来ますね。28'を超える曲ですが、表情変化もあって楽しませてくれます。ラストは強烈な即興的混沌にエレクトロニクスが入って終わります。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  アンサンブル・モデルンの演奏で、スコア付きです



2. Smokey Arnold (2015)
  for flute, clarinet, piano, violin and violoncello
今回一番新しい曲です。まず見てわかるのは楽器編成がシェーンベルクの"月に憑かれたピエロ"と同じだという事ですね。まぁ近年この編成の前衛が多いのも確かですが。
ポリフォニーとホモフォニーの中間の様な流れで、即興的というよりも反復・変奏の流れですね。前曲のエレクトロニクスを抜いて、各楽器が個性を生かした五人の会話の様なポリフォニーが面白いです。ラストは本当に会話しながらの演奏ですw


3. Ouroboros - Zyklus (2004/5)
  for soprano, ensemble and electronics
今回一番古い楽曲で、ソプラノのvoiceがライヴ・エレクトロニクスかテープで複数被りながら入って来ます。これがバルタカスの一つのパターン(個性?)なのでしょう。基本はポリフォニー&エレクトロニクスですが、楽器の個性を生かしたり、エレクトロニクスを強く印象付けたり、と言ったバルタカスらしい個性がまだ弱いですね。



特別な作曲技法があるのかは不明なのですが、面白いエレクトロニクス&混沌アンサンブルですね。

特異性はないのですが、楽器の個性を生かした音の絡みが楽しいです。やっぱり1970年代生まれの前衛現代音楽家は興味深いですね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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