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デンマーク現代音楽:ペレ・グズモンセン=ホルムグレーン の管弦楽集「Repriser」

Covid-19自粛、夏休み一週間連続インプレ最終日ですw


ペレ・グズモンセン=ホルムグレーン
(Pelle Gudmundsen-Holmgreen, 1932/11/21 - 2016/6/27)
デンマークの初期の現代音楽家で、デンマーク音楽アカデミーでヴァン・ホルンボー他に習っていますね。弦楽四重奏曲を得意としていて、クロノスSQにも曲を書いています。

先日もインプレしたペア・ノアゴーと同年1932年生まれで、欧前衛最盛期に活動した年代ですね。ノアゴー同様に当初はニールセンやホルンボーと言った北欧系でしたが、ノアゴーがセリエルに傾倒した時にグズモンセン=ホルムグレーンもダルムシュタットのブーレーズやシュトックハウゼンに触発されています。

しかし1960年代後半にはセリエル系を否定して"新しい単純性"(前衛の"新しい複雑性"の対極)に舵を切ったそうです。そしてサミュエル・ベケットの不条理を音楽に投影、ポップアートの様な米芸術やE.ヴァレーズからもインスピレーションを受けている様です。まさに前衛の停滞と同時に調性回帰の多様性へ向かった訳ですね。

 ▶️ 現代音楽の楽しみ方  ▶️ 北欧近現代音楽CD(作曲家別)一覧



Repriser Athelas Sinfonietta Copenhagen
サブタイトルに "Works for sinfonietta and small ensemble" とある通り(小編成)管弦楽集ですね。サミュエル・ベケットのTextを用いた2. 3. や、デンマークの新聞からの記事引用の 4. 還暦祝いの車に地なんだ 1. 等、1960年代以降の曲になっています。

CDの曲並びは年代順ではないので、例によって年代順に聴いてみたいと思います。(ナンバーがCDの並び順です)







2. Repriser, for large ensemble (1965)
前衛的無調ですからポスト・セリエル時代かもしれませんが、セリエルの臭いはしませんね。まず点描的では無い事、そして反復・変奏になっている事ですね。印象は不協和音を主体としたポリフォニーにクラスターが挟まれる流れです。後半にノイズ系も感じますが、基本は静的な混沌でしょう。


4. 3 Songs to Texts by Politiken (1966)
  for solo voice and small ensemble
無調ポリフォニーの曲ですね。とは言ってもハイテンポ即興的な混沌ではなく、落着いた反復の流れです。中近東和声の様な民族音楽も混じり、ラストは地味にノイズです。


3. Rerepriser, for large ensemble (1967)
音厚が高まっていますね。そして機能和声の旋律が明確です。ここでセリエル系無調前衛とは路線変更している様に思えます。ロック、ELPの様な、の派手な音を感じます。これはヴァレーズの影響でしょうね。そして反復を使うのは変わりません。調性軸足ではありますが一部民族音楽和声もあり、全体の流れは前衛的構成です。


1. Traffic, for eighteen musicians (1994)
27年飛びますから大きく変化?! と思いきや前衛系無調ポリフォニーで、ロックの様なサウンドが混ざるのは前曲と同じです。そこにフリー・ジャズ的なサウンドも混ぜた感じです。要は調性を包括した多様性の前衛と言う事でしょう。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  CDと同じ演奏者 "Athelas Sinfonietta Copenhagen" の2015年のLiveステージです
  こちらの方が生き生きしている?!



5. Og, for seventeen players (2012)
ここでも基本スタンスは前衛現代音楽です。ポリフォニー, 反復, 調性容認, と言った骨格も同じですが、ロック・ジャズ色が減ったのは残念ですね。



ライナーノートには"新しい単純性"とありましたが、少なくともマニエリスムではありません。調性回帰の多様性の前衛にシフトしただけですね。

振り返ってみれば、前衛の本流になっていたと言う事でしょう。ベストトラックはジャズ・ロック色がある "1. Traffic" ですね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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