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ペア・ノアゴー(Per Nørgård) の音楽変遷「ピアノ作品集」



ペア・ノアゴー (Per Nørgård, b. 1932)
デンマークの現代音楽家で、今注目の若手デンマーク前衛の元となるキーの音楽家ですね、個人的イメージはw パリでブーランジェに師事してはいますが、元々はシベリウス, ニールセン, ホルンボー, と言った北欧サウンドの音楽でした。(ホルンボーには師事しています)

変化は1960年に欧エクスペリメンタリズムのポスト・セリエルの流れを受けて、独自の無限セリー(infinity series)を作り出した事になりますね。その手法を作品に使った'60-'70年代は欧前衛の停滞期と重なります。その後は多様性から調性回帰が強くなり、新古典主義的な楽風になっています。

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Piano works
pf: Erik Kaltoft(エリック・カルトフト)
ピアノ曲集で、1959年から2002年までの作品が入っています。やや年代が飛んでいるのですが、作風変化はわかると思います。残念なのは年代から見て完全な"無限セリー"の曲は入ってないでしょう。(当初年代の三曲に一部採用されているかもしれません)

楽曲の並びは年代順ではありませんが、変化がわかりやすい様に作品年代順に聴こうと思います。演奏のE.カルトフトはデンマークのピアニストですね。(並び順は楽曲前のナンバーです)







6. Four Sketches, Op. 25A (1959)
点描的で音列配置のピアノ曲です。セリエルが引っかかっているのは明白ですが、北欧らしい響が残るのは調性からの脱却を果たさない良さでしょうね。当時は中途半端だったかもしれませんが、今なら美しいセリエルの様な印象になっていますね。


5. Nine Studies, Op. 25B (1959)
上記"Four Sketches"に比べると、より不協和音と調性からの脱却方向は感じます。今聴くと何を聴いても同じ様に聴こえるセリエルの悲しさを感じてしまいます。タイトルを見ると、部分的に無限セリーが使われているのかも知れません。聴いただけでわかる様な技巧なら簡単なのですがw


4. Fragments I-IV (1959-61)
無調の点描的音列配置。前の"Nine Studies"の延長線上にありますが、音の並びから無限セリーの可能性を感じます。この時代の無限セリーはまだ旋律にしか対応していませんね。その後、和音とリズムにも対応させて行くわけですが、その'70年代作品は今回入っていません。


3. Nine Friends (1984)
点描的なのは変わらないのですが、反復がメインになって旋律もかなり調性寄りになっていますね。テンポ変化に乏しかった流れも改善されて来ているのがわかります。多様性の足掛かりにはなっているのですが、点描的な音列はセリエルの幻影を強く感じてしまいます。


1. Animal in Concert (1984/1997)
リズムが出て来て、残っている点描感にポリフォニーの流れで印象を大きく変化させていますね。ビートルズの"blackbird"の引用も登場します。無調から調性感の強いパートも現れる多様性の面白さが出て来ました。この曲が一番ですね!!

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  パート1の " I. A Tortoise's Tango" です。ブラックバードの引用はパート2ですね



2. Cob Weaver and Other Secrets on the Way (2002)
音の跳躍が大きい点描の音列配置で入り、昔帰りのセリエルの様です。それがアルペジオとなり調性の旋律を構築し、幽玄なメロディーになるという流れです。まさにノアゴーの音楽変遷を短く見事に本人が表現した感じです。



退屈な音列配置から興味深い多様性まで、セリエルに踏み込んだノアゴーの楽風変化が一望できる作品集になっていますね。

全体的に習作的印象なのは、ピアノ曲自体ノアゴーが得意としていた訳ではないからでしょうか。
E.カルトフトのpfは強鍵のタッチが印象的です。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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