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ミヒャエル・ペルツェル(Michael Pelzel) の「Gravity's Rainbow」今の欧エクスペリメンタリズム前衛音楽



ミヒャエル・ペルツェル (Michael Pelzel, 1978/3/20 - )
スイス生まれでドイツを活躍の場としている現代音楽家ですね。元はピアノ奏者でオルガン奏者へ鞍替え、作曲はルツェルンやバーゼル、他の音楽院で習っています。ドイツに渡ってG.F.ハースやW.リームに師事しています。

他にもT.ミュライユやB.フラー、H.ラッヘンマンと言ったビッグネームのマスタークラスでも学んでいますね。多いパターンですが各音楽賞を渡り歩いて今がある様です。ダルムシュタットでもセミナーを持つ処まで行っている様です。



Gravity's Rainbow
室内楽メインになりますが、"CLEX"などと言う新しい楽器へのチャレンジも含まれていて、デュオ, トリオ, クインテット, 室内楽, そして協奏曲まで幅広いヴァリエーションが楽しめます。

これでペルツェルの方向性は見える感じですね。演奏者は多岐にわたるので今回は割愛です。







1. Mysterious Anjuna Bell (2016)
  for ensemble and chamber orchestra
旋律ではなく"音"と"響"の前衛現代音楽です。特殊奏法よりもグリッサンドとトリル・トレモロを主体として、そこに打楽器が強烈なガッガ〜ンと入って来ます。弦と管は"キュルルル〜ン"と言った感じでしょう。後半でキラキラする打楽器音の背景音に、弦と管の下降音階の笑い声の様なグリッサンド音が入るのは面白いですね。シャリーノ風でしょうか。


2. Carnaticaphobia (2017)
  for percussion, piano and cello
pfは特殊奏法ですね。その打音が響く中にキラキラしたパーカッション、そしてキュルキュルと鳴らす下降グリッサンドのvcが入ります。エレクトロニクスも感じる様な…
一曲目をスリムにした楽曲です。同期した強音が現れたり、ポリフォニー的に絡んだりしますね。流れの変化はちゃんとあるのですが、全体印象は"どこかで聴いた様な前衛"です


3. Gravity's Rainbow (2016)
  for CLEX(contrabass clarinet extended) and orchestra
まず気になる"CLEX"とは電子拡張コントラバスクラリネットです。Clarinet Extendedの略で、超小型モーターとセンサーによってトーンホールを制御するそうです。

楽器の性格から予想がついてしまうのは困りますねw 重低ドローンの様な印象、静に現れるバスクラの音色、そんな空間です。バスクラは特殊奏法的な音色を出しますが、特殊奏法なのかは不明です。旋律と呼べるか微妙な音の並びで、フリー・インプロビゼーション的にもなって行きます。そこへまたもやキラキラのパーカッションとネコの様なグリッサンドが登場し、後半はポリフォニー的な流れも…新鮮さ不足ですねぇ。


4. "Alf"-Sonata (2014) for violin and horn
テープ(他のポップな音楽の録音)が入ります。何やら二人でvoiceも出してDialogueですね。ヴォイスと演奏の両方で対位的に戦います。これは面白いです!!

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  Noëlle-Anne Darbellay, violin / Samuel Stoll, horn のLIVEです



5. Danse diabolique (2016)
  for winds, harp, organ, piano and percussion
"I. Introduction" は全体的にキラキラ音で始まり、最後までロングトーンの音を引っ張ります。"II. Danse diabolique" では、それを基本に重低音が入ってドローン的な印象が強くなります。即興的にもなったり変化はしますが…



旋律ではなく、楽器の"音"と"響"の前衛現代音楽です。いかにも欧エクスペリメンタリズム前衛音楽と言った風ですね。

面白いのですが、今や新しさを感じられません。静の中に"音"が現れるのは常套手段ですし、誰かの亜流的な感じが逃れられません。弦のグリッサンドはS.シャリーノが浮かびますね。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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