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マイケル・ティルソン・トーマス 自作自演集『アンネ・フランクの日記から & リルケの瞑想』


興味深いアルバムがリリースされました。指揮者としては来日コンサートのマーラーにも出かけていますしお馴染みですが、今回は現代音楽家として本ブログでも初登場ですね。


マイケル・ティルソン・トーマス
(Michael Tilson Thomas, 1944/12/21 - )
ピアニストとしてコンサートで弾いたりしますが、何と言っても指揮者の顔がメインなわけですね。作曲は南カリフォルニア大学でインゴルフ・ダールに師事しています。ちょっと意外な組み合わせの気がしますね。

広島の原爆をモチーフにした"Shówa/Shoáh (1995)"など興味深い作品がある様ですが、楽風的にはコープランドやバーンスタイン、そしてストラヴィンスキーの影響があるアメリカン・ミュージックだと言われている様です。



From the Diary of Anne Frank & Meditations on Rilke
アンネ・フランクの日記から」はユニセフからの委嘱作品ですね。ライナーノートによれば、交響曲形式で書かれた"メロドラマ"だと言う事です。(音楽で言うメロドラマは"台詞や詩の語りに背景音楽を付けたもの")
アンネ・フランクと同い年だったオードリー・ヘップバーン(ユニセフの親善大使)のために書かれています。音楽でのキーワードは"Dear Kitty"ですね。

リルケの瞑想」はシューベルトのカウボーイ・ソングだと本人は言っていますが、マーラーとの関係を指摘する評もある様ですね。MTTは父親から"Red River Valley"とシューベルトの曲の類似性に付いて聞いていたそうで、それが元になっている様です。

もちろん演奏はMTT指揮、音楽監督25年最後の記念のサンフランシスコ響です。







1. アンネ・フランクの日記から (1990年)
Part 1 は明るいメリハリのある反復を主体とした流れで、その第一主題(序奏?)は微妙な東洋和声的に聴こえますね。第二主題は弦の静的ながれで、その上にアンネ・フランクのTEXT(語り:Isabel Leonard)が入ってきます。澄んだ幽玄さで北欧系の音楽の様にも聴こえます。後半は第一主題が静的な流れで回帰しますね。

Part 2 はアレグロ - アンダンテでしょうか。不安を覗かせる主題から弾む様なトリオ(第二主題?)へと移行して音を強くします。ユダヤ人差別のTEXTが入りますね。不安を下敷きにピチカートを使ったアレグロの流れから、暗く淀んだ中間部(第二トリオ)に入りTEXTはユダヤ人迫害のストーリーになります。

Part 3 は明るい動機が煌めく様に、TEXTは生きて見る外の情景を伝えます。コーダは暗く沈んで終わります。
とても美しく叙情的な調性音楽にユダヤ迫害のTEXTが展開されます



2. リルケの瞑想 (2019年)
いきなりジャイブするピアノが入って来てジャジーな流れを呈しますが、ここだけですねw 続けてフィルム・ミュージック風の流れになってコントラストを付けます。バス・バリトン(Ryan Mckinny)が歌うのですが、これを聴くと確かにマーラー"大地の歌"を思い浮かべますね。メゾ・ソプラノ(Sasha Cook)と入れ替えに歌われるのも同じです。
スローを基調にした淡々とした流れも上手くフィットしていて、ずばり構成は"大地の歌"でしょう!!


 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  MTTのインタビュー入りのTrailerです
  音も良いですね



バーンスタインのミュージカルの様な音楽ではありませんが、調性の旋律が明瞭なマニエリスムの米現代音楽です。

社会問題の様なテーマを基にする米現代音楽でもあり、ピューリッツァー賞狙いの方向性?! これからのMTTに注目ですね。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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