FC2ブログ

近現代音楽家の「オーボエ協奏曲集」マルティヌー | B.A.ツィンマーマン | R.シュトラウス


Oboe Concertos シュテファン・シーリ (ob, Stefan Schilli)
ドイツ人オーボエ奏者のシュテファン・シーリをフィーチャーしたオーボエ協奏曲集ですが、ポイントはそこではありませんw

三人の近現代の音楽家の20世紀中盤の作品という事ですね。この時代は欧エクスペリメンタリズムの前衛真っ只中でした。

演奏は昨年11月に亡くなられたマリス・ヤンソンス指揮/バイエルン放送響の豪華オケ。実はそこに問題があったかもしれません。ちなみにシーリは同オケの首席奏者です。








ボフスラフ・マルティヌー
(Bohuslav Martinů, 1890-1959)
チェコの音楽家で、フランス音楽に傾倒した初期、ナチスから逃れ米活動の中期、欧州に戻って前衛と向き合う後期ですね。とは言っても新古典主義になります。

Concerto for Oboe (1955)
 欧州に戻ってからの後期晩年の作品になります。得意とする技巧性の高い協奏曲ですね。
いきなり民族和声的な軽快なリズムで入って来て驚きますね。obはオケの序奏が終わると澄んだ音色で牧歌的な印象です。第二楽章は緩徐で幽玄な流れになり、仏印象派を元にした様な流れを感じます。カデンツァと言っても良いpfとのDuoではよりその感が強いですね。第三楽章はいかにもアレグロ的にシャキッとしています。obも流れる様な旋律を奏でます。カデンツァは叙情的な中に技巧を見せる様になっていますね。
新古典主義とは言え、洒脱さは仏印象派を感じますね。



ベルント・アロイス・ツィンマーマン
(Bernd Alois Zimmermann, 1918-1970)
このブログでは一押しの、ちょっと古い前衛現代音楽家です。作風変化は過去のインプレにまとめてあります。

Concerto for Oboe (1952)
 セリエルの波に飲み込まれた中期の作品になります。この曲ですとH.ホリガーの名演がありますね。
パッと聴くと新古典主義の印象が強く、調性軸足的な流れですね。この時期・時代のツィンマーマンはセリエルを用いていますが、ヴェーベルンの様な使い方ではないので日和見に聴こえたかもしれません。それでもobは技巧的な流れが強い事がハッキリわかりますね。中間楽章の緩徐も緊張感が強く、出し入れも刺激的です。ラストのカデンツァも光りますね。コンサートでもう少し採用されても良さそうな気がします。
やっぱり20年生まれるのが早かったですね!

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  第一楽章です。obはH.ホリガー、ギーレン指揮・SWF SO Baden-Badenです
  こちらの方がオケ共に尖っていて、明確に前衛性があります




リヒャルト・シュトラウス
(Richard Strauss, 1864-1949)
言わずもがなのR.シュトラウスですから紹介などもちろん割愛です。

Concerto for Oboe (1945)
 前衛の時代を迎え、シュトラウス本人も古い音楽と言った晩年の作品です。
まず感じるのは入りのobの美しいロマン派の香りですね。前期ロマン派と言っても良い様な古典の響さえ感じます。残念なのは、交響詩やオペラのシュトラウスらしいストーリー性や抑揚が感じられません。昔帰りしている感じ?!でしょうか。
不協和音の様な調性の薄さも存在しないロマン派的流れは、今聴いても少し古く感じるかもしれません。



1940-50年代という前衛時代を背景にすると、いずれも時代の流れに乗れない楽風だったのかも知れません。そんな感慨の中で聴くのも一興かと思わせてくれる三曲ですね。

S.シーリのobは繊細さの音色を強く感じますね。オーケストラは演奏の流れ自体が流麗になっていて、前衛性を避けている感じもします。(ツィンマーマンのYouTubeを聴いてもらうと前衛性を感じます)



 ▶️ 現代音楽の楽しみ方


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





コメントの投稿

非公開コメント

ようこそ
カテゴリ
ありがとうございます