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シモン・ステーン・アナセン(Simon Steen-Andersen) の『Black Box Music』と言うパフォーマンス現代音楽


シモン・ステーン=アナセン (Simon Steen-Andersen, b.1976)
デンマークの前衛現代音楽家 ステーン=アナセンと言えば、何と言っても2014年ドナウエッシンゲン音楽祭での"落下破壊ピアノ協奏曲"(Piano Concerto)ですよね。私もあのNEOSのDVDで一気にファンになりました。細かい楽風や経歴は過去記事を参照くださいね。

基本的にはインスタレーション、今の時代の現代音楽ですね。本人曰く "Visual Music で、音楽は聴覚だけではない"、そうです。



Black Box Music, Håkon Stene | Oslo Sinfonietta
2012年にダルムシュタット夏季現代音楽講習会で紹介されていますから、上記"Piano Concerto, für Klavier, Sampler, Orchester und Video"よりも早かった訳ですね。
"古典的音楽の驚くべき楽しい解体"だそうです。解体の対象はオーケストラを前にした指揮者像で、それをBlack Boxの中での人形劇・手振りといったパフォーマンスにしています。(ジャケット写真にある様子です)

そして舞台(Black Box, スピーカー, 演奏者)も特殊配置で以下の様になっていますね。(今回はオーディエンスなしの様です)


SSAndersen-BlackBox-Stage.jpg


本DVDには他に、コペンハーゲンの王立図書館で収録されたビデオ・パフォーマンス "Run Time Error" と、そのメイキング・ビデオも収録されています。






DVD


1. Black Box Music (2012)
  for performer, amplified box, sinfonietta and video
  [I. Ouverture - II. Slow middle movement - III. Finale]
スタンスが古典の解体だからか、構成は古典的な三楽章の形式になっています。
 まずは電子ノイズから入ります。そこに多方向から旋律のない音塊が響きますね。音色は単音ありショート・グリッサンドあり、特殊奏法ありになります。楽器ではない構成の音も聴く事が出来ますね。パートは三つに分かれますが、所謂(いわゆる)緩徐といった概念は存在しませんね。基本リズムが変わるといった感じになります。全て明瞭な旋律が無い"音"の構成ですね。

途中でオーケストラのチューニングの様なシーンが現れて、そこからは打音リズムのパーカッション・パフォーマンスとなります。2nd mov.でしょうか、それまでと明らかに異なるサウンドで展開部か中間部に相当しそうですね。最後は即興クラスター的な音塊が戻って混沌となりますが、フィニッシュはノイズです。

Black Boxのカーテンを開け閉めしながら指揮兼パフォーマンスします。Black Boxの背面(ステージ正面)に配された大スクリーンにはブラックボックス内が大写しになります。それで演奏者全員もそれを確認できる様になっていますね。その中には"オモチャの類"も登場して、"偶然性"の構成にもなっていますね。

Black Boxのホーコン・ステーネ(Håkon Stene)はスコアを見ているはずなのですが、明確にはわかりません。顔の影にあるのがスコア用タブレットでしょうか。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  Zeiträume für Musik Basel 2017 での抜粋です



2. Run Time Error @ The Black Diamond #1+2 (2014)
  for a joystick-controlled video performance
サブタイトルにある通り、オーディオ&ビデオをジョイスティックで操作します。通常再生だけではなく、ジョイスティックでストレッチやリバースが出来ます。
 音楽"音"はエレクトロニクス処理されたノイズ・サウンドです。もとになっているのは会場に設置された様々な配置物の"転がったり、引っ掻いたり"と言った音ですね。それを次々に移動しながらの映像も流れます。従って変なノイズ音も元音を視認しながら聴けるパフォーマンスです。環境音も使ったミュージック・コンクレートでもあるかもしれませんね。

映像は同一映像を2画面に映してそれぞれをジョイステイック操作しています。同じ元映像が微妙なズレを生じさせながら、音(ノイズ)も変化していきますね。さすがにスコアは無いと思いますw


3. Run Time Error - Behind the Scenes (Bonus Material)
  filmed and edited by Ida Bach Jensen
メイキング・ビデオです。ノイズ元を準備したり、実際の収録シーンを見る事ができます。電子処理されていない生音に、解説の英文字幕もあるでので、とても興味深いですね。使われていないシーンも出てきますし、ソフトによるサウンド・メイキングも出てきますね。

2画面の合成の、それぞれを個別ver.(#1,2)もあって、それを見ると合成前(電子処理あり)も楽しめます。



インスタレーションと言うよりもパフォーマンス・ノイズ系前衛実験現代音楽ですね。まさに今の時代の現代音楽を楽しめるDVDになっています。(CD表現の域を超えています)

既に多様性現代音楽という表現でさえ、通じなくなって来た事が実感できますね。もちろんオススメの一枚です。



 ▶️ 現代音楽の楽しみ方  ▶️ 北欧近現代音楽CD(作曲家別)一覧


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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