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エンノ・ポッペ(Enno Poppe) の「Arbeit, Wespe, Trauben, Schrank, Salz」欧エクスペリメンタリズム


エンノ・ポッペ (Enno Poppe, b.1969)
このブログでは現代音楽家としての紹介が多いですが、指揮者の方が知られているでしょうね。ベルリン工科大学とカールスルーエ・アート・アンド・メディア・センターで電子音楽とコンピューター・アルゴリズムの音楽を習った事が現在の作品の基本になっている感じでしょうか。

年代的にも欧エクスペリメンタリズム界のリーダに相当して、委嘱も多い様ですね。今回のアルバム作品も全て、音楽祭やアンサンブルからの委嘱作品になります。



Arbeit, Wespe, Trauben, Schrank, Salz
声楽を含む室内楽集になります。演奏のEnsemble Mosaikとポッペは長く活動を共にしていますね。もちろん今回も指揮者として登場しています。

1.Arbeitで使われるハモンドオルガンはもちろんソフトでの音で、微分音の調整が実施されています。三部構成になっていて、他の楽曲に挟まれる様に分割配置されていています。それがシーケンスされる事で劇的に印象付けられるそうです。他にもライナーノートには各楽曲の技巧から印象まで書かれているので、あまり読まない様にしましょう。インプットされて素直にインプレ出来なくなりそですw

ライナーノートには五線譜ではないスケッチ・スコアが載っていて、とても興味深いですね。







1. Arbeit, for virtual Hammond organ (2007)
I.は短旋律の反復・変奏的な右手と、左手短和音の構成です。II.は単純音ロングトーンのハモンドと電子音が微妙な和音を織り上げて行きます。III.はアルペジオの昇音階がハモンド音で多少の音色変化させながら絡んで行きます。変奏反復的ですね。
音色はまさにロックやジャズで懐かしいハモンドそして電子ノイズで、演奏はErnst Surbergです。


2. Wespe, for voice (2005)
独の作家 Marcel Beyer のTEXTで、スピーチを前にしている人間の奇妙な願いが語られます。楽器音様なヴォーカリーズ、それを拡張した様なTEXT。ちょうど1.Arbeit-I.と似た音構成になっています。聴いた事のない一風変わった声楽になっていて、グリッサンドを使いますが微分音も出しているのでしょうか?! そうなら、驚きです!!
カウンター・テノールはDaniel Glogerです。


3. Trauben, for piano trio (2005)
弦楽器(vc, vn)の短いグリッサンド、虫が飛ぶ様な音、とピアノの即興的なコラボレーションになっています。時に無調混沌であり、ポリフォニーであり、dialogueにもなっています。旧来的前衛性が高く安心して聴ける前衛ですね。このパターンはどうしてもシャリーノを思い出してしまいますが。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  ensemble mosaik のLive動画ですね



4. Schrank, for nine musicians (2009)
短旋律の変奏反復的で、11パートになっています。パート毎に楽器構成を変更しながら進みます。特殊奏法なのかコンクレート的な何かを使っているのか、奇妙な音も出現しますね。前半各パートはDuo構成になっていて、次々に組合せが変わって行く面白さが味わえます。後半は楽器構成が増えてジャズ風の音楽(VI.)も顔を出しますが、基本は短旋律の変奏と反復を基本構成としたポリフォニー/ホモフォニーですね。


5. Salz, for ensemble (2005)
前半は音数の少ない緊張感のある楽器間のやりとりです。構成は短旋律とロングトーンで徹底しています。中間部?ではアルペジオの楽器が、そこに絡んで来て色合いを加えますね。最後まで緊張感のある流れで、まるで基本エピソードの変奏繰り返しの様です。ラスト、コーダ?では混沌を見せて唐突に寸断されて終わります。



今回は電子音楽は控え目です。短旋律を変奏しながら繰り返す流れが基本になっていますね。それを楽器構成を変化させて音色の違いを聴かせる感じです。

4.Schrankがそんな流れを代表している一曲ですね。どの曲も唐突に終了するのがポッペらしいです。



 ▶️ 現代音楽の楽しみ方  ▶️ 現代音楽CD(作曲家別)一覧


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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