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ルネ・モーゲンセン(René Mogensen)「The New Arpeggione: Walls of Nicosia」キプロス古代・現代


ルネ・モーゲンセン (René Mogensen, b.1968)
ルネ・モーゲンセンはオーフス音楽アカデミー出身のデンマーク現代音楽家で、電子音楽を中心としていますね。現在はバーミンガムで教鞭をとっている様です。ジャズ・即興・ダンスパフォーマンスにも方向性を見出しています。

活動範囲は米国も含み、N.Y.での前衛ダンスへの音楽提供やカリフォルニアのミルズ大の現代音楽センターでの活動もあります。N.Y.大とロチェスター大で学士号(MAとBA)を取得していますね。



The New Arpeggione: Walls of Nicosia
まずArpeggione(アルペジオーネ)という古楽器ですが、六弦のチェロの様な楽器で基本はアルコの様ですね。タイトルは、"新しいアルペジオーネ"と言う事になります。そしてもう一つのピアノの古楽器フォルテピアノも使われていますが、それはシューベルトのフォルテピアノが元になっているそうです。三曲目はタイトルを見てもわかりますね。

そこにエレクトロニクスからジャズ、そしてグローバルなリズムをも混じえた作品になってます。きっかけはシューベルトのフォルテピアノがキプロスの古楽器演奏会で使われた時で、キプロスの古代と現代にインスパイアされたからだそうです。







1. Walls of Nicosia
  for arpeggione and computer
キプロス首都ニコシアにあるトルコ側との壁ですね。老朽する壁を電子音楽で、アルペジオーネは十二音とキプロス民族音楽を使っているそうです。

アルペジオーネにもループやディレイ、ディストーションといった電子処理がかかっていて、アルコとピチカートを使います。民族音楽和声は哀愁を感じますね。そしてシンセサイザーはサンプリングも含めてノイズ的な使い方になっています。グリッサンドの電子音がどちらの楽器から出ているかは不明ですが、アルペジオーネでしょうね。
サウンドとしては民族和声浮遊感的な電子現代音楽に感じます。



2. Salamis Dances
  for arpeggione
キプロス民族音楽と世界の音楽でサラミス遺跡を表現しています。

ギター風の音色の地中海和声を感じます、特にピチカートのアルペジオでは。電子処理はないので、クラシカル・ギター曲をアルペジオーネで弾いている様なイメージです。シンプルで美しい曲で、アルコのパートは反復も強くバッハの無伴奏チェロの様な印象です。
キプロスの古代をイメージしたのかこの曲だけ電子処理は無く退屈?!

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  パート1ですね。サラミス遺跡の映像付きです




3. Sonata Neo-Schubert
  for arpeggione, fortepiano and computer
シューベルトにインスパイアされていますが、旋律や音楽体系からの制作ではなくメロディアスな旋律イメージを優先させているそうです。

古典ベース機能和声のアルペジオーネとフォルテピアノに、僅かな不協和音施しています。アルペジオーネは微分音を出している様ですし、フォルテピアノも一部チューンを弄っている感じですね。(電子処理?!)
そこにエレクトロニクス音が被って来て奇妙なマッチングになっています。フォルテピアノの硬い音も、機嫌の悪いアップライトの様で"変な"感じですね。時折流れが即興的無調混沌に陥るのもスパイスで面白いです。ラストのパートは明確なジャズ系となっていて楽しいモーゲンセンらしさが味わえます。
良く練られた不安定で落ち着かない古典ベース現代曲といった感じです。



前衛実験ではありますが、無調無拍混沌の様な流れではありませんね。電子処理の可能性を既存の和声+αに載せているといった感じでしょうか。(#2を除きw)

もっと最近の作品を聴きたいのですが、リリースが少ないのがハードルの現代音楽家です。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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