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丁抹の前衛 "K.A.ラスムセン" と "B.セアンセン" 弦楽四重奏曲集:Arditti String Quartet


String Quartet by Karl Aage Rasmussen & Bent Sørensen
アルディッティ弦楽四重奏団
今、キーになる二人のデンマーク現代音楽家の弦楽四重奏曲ですね。もちろん現役の音楽家ですが、この後の世代を指導したことにも実績・定評があります。その二人が若手の頃の作品集で、タイトル名は韻を踏んでいるかの様です。

1980年代のアルディッティSQは、すでに創設メンバーがアーヴィン・アルディッティ(#1vn)とL.アンドレード(va)だけとなっています。でもこの時代はチェリストのデ・サラムがいますので叙情を排した強引とも思える様なキレキレの演奏が楽しめるでしょうね。








カール・ラスムセン
(Karl Aage Rasmussen, 1947/12/13 - )
デンマークの現代音楽家ですね。オーフス音楽院で教鞭をとっていて、本ブログ注目のセアンセンやステーン=アナセンと言った前衛音楽家も師事しています。

引用やコラージュ、モンタージュ(とも言うそうです)と言った手法を使います。ただダイレクトな引用ではなく、とても短く常に変化を与える方向性になっていますね。その後はフラクタルによる自己相似性も使っています。近年は 'baroque orchestra Concerto Copenhagen' の在籍作曲家を務めた事もあり、古楽器曲やバロック時代のトランスクリプションも手掛けていますね。今回はモンタージュ技法の時代の二曲です。

1. Solos and Shadows (1983)
 不協和音を使った調性と無調の中間色の様な和声です。間と瞬間の様なコントラスト構成で、強音か無音といった流れの中に流れる静美な旋律が印象的です。
四弦はホモフォニーでありポリフォニーであり、時にモノフォニーの様相さえ見せますね。時代背景から行くと多様性で、トリル・トレモロ高速アルペジオの主旋律と変奏を主体とした美しさを感じます。ポスト・セリエルかではないと思いますね。アルディッティSQも繊細キレキレの演奏です。ラスト3'でのスロー化も面白いですね。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?

2. Surrounded By Scales (1985)
 一曲目の延長線上のイメージです。ラストのスローをベースにしながら路線は同じ、緊張感と高速アルペジオからの静的な美しさです。パートI. II.と言った感じでしょうか。



ベント・セアンセン
(Bent Sørensen, 1958/7/18 - )
ラスムセンより約10歳年下で現役バリバリです。最近多くインプレしているので紹介は割愛ですが、今回は弦楽四重奏曲第1-3番で、20代の頃の作品になります。セアンセンと言えばグリッサンドと微分音ですね。

1. String Quartet No.1, Alman (1984)
 繊細なロングボウイングの音色が幽玄に流れると、得意のグリッサンドが微分音を示しながら現れますね。この微妙な浮遊感がセアンセンでしょう。羽虫の飛ぶ様な音色や、時折刺激的な弦音が出現してくるのもこの頃から出来上がっていますね。

2. String Quartet No.2, Adieu (1986)
 グリッサンドと微分音の占める割合が増えてセアンセンらしさが強くなって来ています。同じく対位的に走るトリル・トレモロ旋律もはっきりしていますね。静的な中に幽玄さがありますね。無調混沌が現れるのも効果的です。

3. String Quartet No.3, Angels' Music (1988)
 基本構成は出来上がっている感じですが、前半は繊細な弱音パートになっています。その中にグリッサンドが現れて、オバケが出る様な音楽?!w 中盤から速い強音も入ってきますね。緊迫感が増して、そこにもグリッサンドが多用されています。



緊張感と美しさのラスムセン、微妙な浮遊感と幽玄さのセアンセン。いずれも静と間を生かした流れを感じますね。

調性感を残しながらの無調というのも欧エクスペリメンタリズムとは一線を画した当時の北欧現代音楽になっていると思います。アルディッティSQも繊細さと刺激を奏でていますね。今回は炸裂ではありません。



 ▶️ 現代音楽の楽しみ方  ▶️ 北欧近現代音楽CD(作曲家別)一覧

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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