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ニルス=オーレ・ボー・ヨハンセン(Niels-Ole Bo Johansen) の「Identity Problems」デンマーク現代音楽トロンボーン・ソロ曲集

北欧のトロンボーニストというとスウェーデンの名手クリスチャン・リンドベルイが浮かびますが、デンマークにも素晴らしい奏者がいる様です。


Player
ニルス=オーレ・ボー・ヨハンセン
(Niels-Ole Bo Johansen, tb)
デンマークのトロンボーニストですね。デンマーク・オーフス音楽院の教授を勤めながらÅrhus Sinfoniettaの創設者の一人でもあります。個人的には知見がなかったのですがw


Album Title
Identity Problems
Danish solo works for trombone
今回のアルバムの一番のポイントは同じデンマークの現代音楽家8人の作品を取り上げている事ですね。
デンマーク現代音楽家ビッグネームの二人、ノアゴー(1932)と師事をしたセアンセン(1958)ですね。そしてセアンセンの教育を受けた1970年代後半生まれの世代が今活躍中という年代の流れが素晴らしいですね。(二人の紹介文は割愛しています)







1. Identity ProblemsPer Nørgård (b.1932)
発声しながらのトロンボーンは声なのか音なのか、という面白さを見せてくれますね。他に目新しさはありません。無調でアルペジオ的、跳躍ノコギリ音階、不思議な和声で、セリエル風な感じはしますね。"無限セリー"を作っているノアゴーですから。


2. The Bells of VinetaBent Sørensen (b.1958)
ダブルストップに聴こえますが、tbで出来るのでしょうか?! それとも師に倣っての発声を入れながらのテクなのでしょうか。そこが売りになっている感じです。構成感はノアゴーによく似ています。


3. Liebesbriefe IIThomas Agerfeldt Olesen (b. 1969)
トマス・エーヤフェルト・オレセンは同じデンマークのK.A.ラスムセンやB.セアンセンの他、H.グレツキにも師事していますね。
 voiceが入ります。弦楽も入って、細かい刻みの無調旋律を奏しています。弦楽は特殊奏法?でネコの鳴き声の様な音色やピチカートも刻みます。tbはミュートを使った音出しに徹していますね。そのポリフォニーでいかにも前衛的ですがtbがオマケの様な…w


4. AirJøærgen Plaetner (1930-2002)
イェルゲン・プレトナーはデンマークの初期の電子音楽家ですね。
 牧歌風のtbから入ってきます。調性の反復がベースになっていますね。エレクトロニクス処理はなく、少々退屈ではあります。


5. Muxolydian SaturdayKasper Jarnum (1971-2011)
若くして亡くなったカスパー・ヤルナムは、ラスムッセンやノアゴーに習い、パリでも学んでいます。ジャズや特殊奏法をベースとした前衛ですね。
 プレトナーの曲のテンポを速くした様な感じですね。反復で調性旋律です。tbの面白さが特にあるわけでもないので、これでは…


6. Nuages élégiaquesHans-Henrik Nordstrøm (b. 1947)
ハンス=ヘンリク・ノアストレムはデンマーク音楽アカデミーで習っていますね。デンマークのジーランド島の自然の中を活動拠点としているそうです。北欧的で声楽を取り入れるのも特徴です。
 ヤルナムの曲の続きかと思いましたね。でも途中からダブルストップ的な音色やトーキングの様な旋律となって来て面白みが出てきます。


7. MadrigalBo Gunge (b. 1964)
ボー・グーネはP.ノアゴーやH.アブラハムセンに習っていますね。
 ここでも発声を用いている様ですね。そのダブルストップ(重音)です。それが倍音の様な響きを出しています。


8. Wievs from Plato's caveRené Mogensen (b.1968)
ルネ・モーゲンセンは電子音楽を中心としていますね。現在はバーミンガムで教鞭をとっている様です。ジャズ・即興・ダンスパフォーマンスにも方向性を見出しています。
 電子音とtbの音色、そしてパーカッションが柔らかくロンドやホモフォニーに繋がって反響する様な音を作ります。エレクトロニクスでループやリバーブをかけていますね。complexな空間音響的響きで一番面白いです。ドローン的でもありますね。唇を震わす様な奏法も効果的に感じました。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?



8人の作品ですが、面白かったのはソロ以外の二曲 3.と8.でしたね。ソロと銘打ったアルバムなので、微妙ですがw

超絶技巧や尖った前衛性がないので、やっぱり今ひとつソロでの満足度が得られなかったというのが正直な気持ちです。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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