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ベント・セアンセン(Bent Sørensen) の協奏曲集『Concertos』微分音の浮遊感

尖ったデンマーク前衛音楽世代を指導した印象が強いソレンセン(とも書かれます)ですね。


Composer
ベント・セアンセン
(Bent Sørensen, b.1958)
デンマークの現代音楽家です。同国のイブ・ネアホルム、ペア・ノアゴーに師事していて、技法・楽風は極端な前衛ではなくグリッサンドの微分音を生かした美しい音を作る印象です。アコースティック専門ですね。

本ブログで今注目の前衛実験系のデンマーク現代音楽家、ステーン=アナセン, レンスホルト, 他1970年台後半生まれの、が師事をしている事からも注目の音楽家ですね。


Album Title | Player
Concertos
協奏曲集です。一曲目はピアニストのアンスネスに献呈されています。アンスネスのスタンスにインスパイアされたそうです。他の二曲もそれぞれ北欧系の演奏者で、北欧系のセットになっていますね。

演奏は1.と3.がスカルスタード(Per Kristian Skalstad)指揮, ノルウェー室内管(Norwegian Chamber O)。2.がトマス・セナゴー(Thomas Søndergård)指揮, デンマーク国立響(Danish National SO)です。録音年の違いですね。(1.3.は2019年, 2.は2014年です)
ソロはそれぞれの曲にあります。






1.La Mattina (2007-2009)
  for piano and orchestra
5パートのピアノ協奏曲です。調性に軸足を置き、不協和音の構成ですね。バックの弦楽器はグリッサンドから微妙な微分音を出しています。そこを重点的に聴かせるテクも使っていますね。それがセアンセンですね。pfは正面切っての真っ向勝負ではなく、シンプルな旋律で主役の弦楽器?に呼応する感じでしょうか。パートに速度指示"Andante"や"Presto"があって機能和声的な構成です。
ピアノはもちろんレイフ・オヴェ・アンスネス(Leif Ove Andsnes)です。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  part IV "Andante" です



2.Serenidad (2011-2012)
  for clarinet and orchestra
まずクラリネットの神経質な音色と微分音の弦楽が入ってセアンセンらしさがいきなり全開です。ピアノ協奏曲と比べると美しい浮遊感は同じですがディナーミクが強い楽曲ですね。voiceもハミングで入ります。3パートでII.はスケルツォ的ですから、ここでも古典的な協奏曲構成があります。
クラリネットはマーティン・フレスト(Martin Fröst)です。この曲だけLIVEで少し雑音が気になります。


3.Trumpet Concerto (2012-2013)
  for trumpet and orchestra
弦楽器の短めのグリッサンドを重ねて虫が飛ぶ様な音が、シャリーノ風な感じですね。時折このパターンを使いますね。また反復も多めに感じます。楽風的には一曲目の静的幽玄な美しさからメリハリが強くなって来ています。part IIは緩徐楽章で、tpが美しい旋律を奏でますね。
トランペットはティーネ・ティング・ヘルセット(Tine Thing Helseth)です。



グリッサンドと微分音、そこから現れるセアンセンらしい繊細で美しい浮遊感が伝わりますね。どの曲もラストが唐突に終了するのも個性的です。

調性の薄さと幽玄さは今やどこにでもある現代音楽の一つになっています。そこに何が存在するかが問題になる訳ですが、セアンセンには微分音の武器がありますね。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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