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ジョージ・クラム(George Crumb) の代表作『マクロコスモス, Makrokosmos 全曲』をBerlin PianoPercussionで

全曲を通して聴けるアルバムの少ないクラムのピアノ曲 "マクロコスモス" をインプレです。


Composer
ジョージ・クラム (George Crumb, b.1929)
米前衛現代音楽家の重鎮、90歳を超えたクラムは "新しい音"の追求や特殊記譜 "図形楽譜" で知られていますね。

"extended instrumental" と称される特殊奏法、例えばピアノは内部奏法で弦楽器の様に、でも有名かもしれません。アンプによる増幅も古くから取り入れていますね。



Album Title | Player
The Complete Makrokosmos I-IV
Berlin PianoPercussion
Black Angels(1971)と並ぶクラムの代表作で全4部のピアノ曲集ですね。バルトークの"Mikrokosmos"との関連はググって下さいw

実は最も知られる III. だけが変化球で、ピアノ(2)パーカッション(2)のクァルテット、楽曲内容も十二宮星座や宇宙から離れてクァジモド, パスカル, リルケのと言った詩人のエピグラフを元にしていますね。

楽曲構成は以下の様になっています。
・I. II.:ピアノ・ソロ (増幅・内部奏法等のextended piano*)
・III. :2ピアノ、パーカッション (4奏者、extended piano*)
・IV. :ピアノ・連弾 (1piano四手、extended piano*)

*内部の弦を弾いたりする特殊奏法、モノを入れたりするプリペアードピアノのクラムの総称です。

演奏のBerlin PianoPercussionは2008年創設のピアノ&パーカッションのアンサンブルです。全曲を通した統一感が期待できますね。日本人ピアニストの木吉佐和美さんが入っています。






Makrokosmos I, Twelve Fantasy-Pieces after the Zodiac (1972)
まず1-1)Cancerでの低音暗闇とそこに現れる強音で第一印象を植え付けられるでしょう。すぐに内部奏法も出現します。1-2)Piscesでは右手の細かい高速アルペジオが印象的に表情を変え、その後も少しJazzyな色付けやvoice(スクリームや狂気的), 口笛等があって変化を付けられています。パート毎で内部奏法が異なるのが特徴的ですね。3-3)Geminiではショパンの引用が入っています。
基本静で暗、pfの余韻・残響で空間を増幅で表現しているのは同じです。特殊奏法はラッヘンマンの様なノイズ系重視ではなく、よりpf表現に近い"新しい音"です。


Makrokosmos II, Twelve Fantasy-Pieces after the Zodiac (1973)
プリペアド・ピアノが入ってI.との違いを明確にしています。また、音数が増えているですが、表現される空間での浮遊感(その和声)と内部奏法・増幅残響は同じ流れです。2-3)ScorpioではI.には無かった前衛即興的な一面も見せていますね。2-4)Ariesでは"怒りの日"が引用されています。


Makrokosmos III, a Summer Evening (1974)
  for two amplified pianos and percussion (two players)
編成が大きくなり、pfの音幅は広がり、perc.が特殊奏法で補えなかった音色をサポートしています。基本はI. II.と変わりませんが、表情変化は大きくなり、ポリフォニカルな混沌や強音は効果的になっています。全曲中一番の楽曲、5)Music of the Starry Night のキラキラ感も光りますね。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  打楽器のパターンが良くわかりますね。CDよりも硬質な音色を感じます



Makrokosmos IV, Celestial Mechanics (1979)
  Cosmic Dances for Amplified Piano, Four Hands
一台のピアノを連弾しているので、I. II.に比べて強音化と音数増加の方向性になりますね。トリル・トレモロ、反復・変奏の傾向も少し強まっています。"Kosmas"の印象から行くと、静音残響を生かしたI. II.の方が面白いかもしれませんね。I.→ IV. へと音数増の傾向が明確です。



[I, II] 静で暗な空間に沈む音色とキラキラした色合い、増幅残響音。
[III] ポリフォニカル混沌と静音空間、溢れる音と現れる全音階。
[IV] 増える音数とトリル・トレモロ、そして強音混沌空間。

調性感と浮遊感の和声、そして"Cosmic Sound" 標題音楽です。独特の深淵さは、現代音楽ピアノ曲の傑作の一つで、amplifiedを含めて演奏者側に表現力を要求する楽曲ですね。Berlin PianoPercussionの本LIVE盤はオススメです。

バルトークの現代表現にドビュッシーの全音階的な組み合わせと言われるとわかりやすいのかもしれません。その表現は好きではないのですが…



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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