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マグヌス・リンドベルイ(Magnus Lindberg) の「Accused・Two Episodes」

今ひとつ印象がはっきりと見えないM.リンドベルイですが、かつての前衛から変化している事だけは明確です。これで最後のインプレになるかも?


Composer
マグヌス・リンドベルイ
(Magnus Lindberg, b.1958)
フィンランドを代表する現代音楽家の一人ですね。シベリウス音楽院でE.ラウタヴァーラやP.ヘイニネンに師事していました。ダルムシュタットでB.ファーニホウ、パリでG.グリゼイと言った欧エクスペリメタリズムの重鎮にも学んでいますね。ベルリンでは和太鼓やパンクロックにも興味を示していたそうです。

近年は調性回帰が強いので期待値は低いのですが。従って"Toimii"や"Ears Open Society"の話は今や割愛ですね。


Album Title | Player
Accused・Two Episodes
Finnish Radio SO (cond. Hannu Lintu)
"Accused"はタイトル通り、被告尋問を元にしています。フランス革命の動乱の犠牲者テロワーニュ・ド・メリクールへの尋問、1960年代東独シュタージ(秘密警察)の取調べ、米チェルシー・マニングによる内部告発の尋問、その三件のtextを使っています。2件の対象者が女性(マニングは性同一性障害)だからか、ソプラノを採用しています。コンセプト的には楽しみですね。

"Two Episodes"は2016年のPROMSでベートーヴェン第9の前奏的な位置付けで演奏され、その"引用"等が用いられているそうです。単独でも演奏可能、と言うほど関係性が強いので個人的興味は薄いかもしれません。

演奏はハンヌ・リントゥ指揮、フィンランド放送響、ソプラノはアヌ・コムシ(Anu Komsi, 指揮者サカリ・オラモの奥様)です。






Accused (2014)
【Part I】多少のアレグロ感はあるものの、フィルム・ミュージックです。救われるのはsopの歌い方が尋問の不当性を感じさせてくれる事でしょうか。
【Part II】アタッカで繋がり曲調の変化は乏しいです。sopが歌いっぱなしです。
【Part III】全部同じ曲(パート)に聴こえてしまいます。多少の抑揚の違いはあるのですが…

全てが調性的な動機・旋律で出来ていて、ホモフォニー的関係を崩しません。全体が似た様な出し入れでパート毎の特徴付けは薄く、個性的な和声も明確な転調や多調も感じられませんね。
ソプラノが尖って主張的なのがコンセプト曲らしく聴けますが、楽曲的には興味範疇の外のマニエリスム映画音楽ですね。


Two Episodes (2016)
上記と同じですね。アニメ映画の音楽の印象でしょうか。



楽しめたのはソプラノのA.コムシだけでした。Accusedの作品コンセプトは素晴らしいのですが、楽曲としては米オケ委嘱の米現代音楽家の今風マニエリスム管弦楽作品の様です。

これでM.リンドベルイを聴くのは当面スルーかも。自分の駄耳が残念です。m(_ _)m



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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