FC2ブログ

ゲルギエフ/ミュンヘンフィル の マーラー "千人の交響曲"『交響曲 第8番』は見晴らしの良さ

マーラー8番を続けてインプレ、A.フィッシャー ⇨ ネゼ=セガン と来て今回はビッグネームのゲルギエフ新盤です。


Conductor | Orchestra | Date
ヴァレリー・ゲルギエフ (Valery Gergiev)
Münchner Philharmoniker, 2019-2/17 Live rec.
1988年から現在まで長くマリンスキー劇場の芸術監督を務めながら、数々の著名オケの首席指揮者を務めたゲルギエフ。今回のマーラー8は、2015年から首席指揮者を務めるミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団です。

ミュンヘン・フィルとのマーラーは本年(2020)2月7日の素晴らしい第5番をウェブで見ています。今までのゲルギエフのマーラー5の中では最高でしたから、今回の8番も期待値は上がりますね。



マーラー 交響曲 第8番



第一部
提示部:第一主題「来れ創造主たる精霊よ」は華やかに出て、静めた第二主題はソプラノからの重唱を丁寧に歌います。落ち着いた心地良さですね。
展開部:入りの管弦楽奏は変化を明確に付け、バランスの良い重唱から第一主題変奏の合唱で激しく立ち上がって来ますが興奮より華やかさですね。
再現部:viniの再現からソロが重唱の後、コーダは"Gloria…"を少年合唱団からソロに進みながら大きく広げて行きラストの歓喜は見事です。

広がり大きく王道的な第一部です。まさに“Veni, creator spiritus”!


第二部
【1. 序奏:山峡・森・岩・荒地】
ピチカートが印象的な森閑とする主題を清美に、"山峡・森・岩・荒地"へと楽想を絵画の様に変化させています。繊細さからエモーショナルそして情感を深く、ゲルギエフが得意とする処ですね。

【2. 緩徐:聖なる隠者たち】
「合唱とこだま」は序奏の主題をそのままに山峡の自然を静かに歌います。「法悦の神父」はバリトンらしい雄々しさですが、「瞑想の神父」のバスは少し腰が高い感じでですね。

【3. スケルツォ (アレグロ):天使たちと子供たちと】
「天使の合唱」から「祝福された少年たち」「若い天使たち」は明るくファウストの救済を讃えます。「成熟した天使たち」ではvnのソロが加わり第一アルトが切々と愛を歌いますね。「祝福された少年たち」が歌うと…

【4. フィナーレ:マリア崇拝の博士、懺悔する女たち、栄光の聖母】
「マリア崇拝の博士」のテノールが被る様に入って来ます。サイモン・オニールはヘルデンテノールの様な伸びやかさで讃歌にピッタリです。合唱からスローに静に「かつてのグレートヒェンの告白」は聖母を讃えます。
「罪深き女」(sop1)は朗々と、「サマリアの女」(alto1)は音色を落とし、「エジプトのマリア」(alto2)の願いは伸びやかです。"贖罪の女三人の合唱"では三人の絡みがバランスの良さを聴かせてくれます。「懺悔する女 (グレートヒェン)」のsopの願いはほどほどですが、「栄光の聖母」は神々しい伸びのあるsopを聴かせてくれて良いですね。(バンダも天上を印象させています)
「マリア崇拝の博士」再び朗々と讃えると広がり、合唱で落ち着かせます。管弦楽も心地良い広がりを作りますね。

【5. コーダ:神秘の合唱】
静まって「神秘の合唱」はまさに神秘と感謝で、ファウストのラスト "永遠に女性なるものが…" を歌います。山場は高らかで崇高さを感じますね。

ストーリーの持つ気高さを感じられる素晴らしい第二部です。


全編通してこの曲の持つストーリー性を感じられるマーラー8です。アゴーギクもディナーミクも程良く、過度の興奮はありません。それが全体を生していると思います。

録音も良く、今までに聴いた中でも上位の作品ですね。ファウストの"愛・祈り・救済"の展開を感じられると思います。ソリストが全員好みで揃えば名盤レベルかも。



今回のゲルギエフが近年一の8番だったので、次回は鉄板バーンスタイン(DG盤)やクールMTTを聴きなおしておこうと思います。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





コメントの投稿

非公開コメント

ようこそ
カテゴリ
ありがとうございます