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アバドの「マーラー 交響曲 第2番 "復活"」2枚:名盤のルツェルン祝祭管、若き日の1965年ザルツブルク


Symphony | Conductor
マーラー 交響曲 第2番 "復活"
クラウディオ・アバド (Claudio Abbado)
前回、テンシュテット(非正規盤)とバーンスタイン(DG盤)をインプレしたので、このアバド/ルツェルンで"復活"名盤ベスト3かとw

そしてアバドのマーラー2番と言えばもう一枚。32歳でウィーンフィルでザルツブルク音楽祭登場、世にアバドを知らしめた1965年の"復活" もインプレしておきましょう。

アバド来日予定が体調不良で中止になって翌年一月亡くなったのが6年前、時が経つのは早いものです。





ルツェルン祝祭管弦楽団
2003-8/14,19-20 Live rec.

calfolmm2.jpg
 amazon CD 

2003年のルツェルン音楽祭で全貌を現したアバド再創設のオケ、ルツェルン祝祭管弦楽団。その時の演目ですね。ソプラノはエテリ・グヴァザヴァ[Eteri Gvazava]、メゾソプラノ(アルト)はアンナ・ラーション[Anna Larsson]です。

第一楽章
第一主題は適度に緊張を付け、葬送的行進は揺らぎを強くします。第二主題はその流れで本来の穏やかさは押さえ気味にやや速めに。コデッタはシャキッと後半は暗く、力のこもった締まりある提示部です。
展開部の第二主題は穏やかに優しく、コデッタの山場は締まり良く速めの流れを作ります。第一主題では緊迫感から暗く足取りのしっかりとした調子へ、キーとなるコラールの山場へ突き進みます。再現部はいっそう色付けを濃くして、コーダは陰鬱な葬送が印象的です。速めで硬派の第一楽章です。

第二楽章
主要主題は緩やかな揺さぶりの舞曲に仕立てます。ここでも速めの設定です。トリオでも変化付けは薄めですがアゴーギクを強めに振って来ます。回帰部は重さを付けて重心を低く構えたりと表情豊かです。

第三楽章
主部は少し陰鬱さを残す様な『子供の不思議な角笛』ですが、ここでも速めのテンポ設定。中間部はいきなり祭典風に登場して雰囲気を変えて来ます。揺さぶりある流れからのコーダも出し入れが強めです。

第四楽章
主部アルトのパートは管楽器ともスローに抑えて落ち着き払っています。初めて感じたかもしれません。中間部は速めに戻して、表情作りに貢献していますね。

第五楽章
提示部第一主題は激しさ、静まるとhrの動機が極端に静音で夜明けを告げます。第二主題の木管は静に出て金管の"復活の動機"も抑えた流れです。動機群で出し入れを作ってコラールを華々しく鳴らして提示部を締めくくります。
展開部は地から這い上がる様に現れ、速い行進曲に流れ込みます。"死者の行進"は第6番が浮かぶ様な心地よささえ感じます。
再現部揺さぶりの強い流れからストレッタ的に山場を作り上げます。極端にスロー静に鎮めてバンダの掛け合い後、合唱が極静にスローに沈む様に現れてソプラノを迎えます。光りが射すと合唱もゆっくりと暖かみを増してアルトが "O glaube, Mein Herz, ..." を緊迫感を醸しながら出て来ます。ハイコントラストな男声合唱を踏み台にsop/alto重唱が素晴らしい対比を聴かせると、そこからは一気に怒涛の山場を作り上げます。


緩急の揺らぎと重心の低さ、堂々のマーラー2です。前半楽章速め、後半楽章揺さぶりの構成で最終楽章にフォーカスした完成度を感じます。

一方の雄バーンスタイン(DG)は緊張感の静スローに徹し最終楽章ラスト山場にフォーカス。個人的には後者のストーリー性に一票なのですが、その個性を避けるなら本アバド盤でしょう。


 ★試しにYouTubeで観てみる?
  2003年ルツェルン・フェスティバル マーラー2番"復活"の動画です。
  (CDとは異なる8/21のステージです)
  癌を克服したアバド、これを見ると気持ちが揺すぶられます…








ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1965-8/14 Live rec. [mono]

cawsm61967.jpg
 amazon CD 

(1967年のウィーン響との第6番とのカップリングです)

よく知られる若き32歳アバドのザルツブルク音楽祭初登場、ウィーンフィルを初めて振った "復活" です。ソプラノはステファニア・ヴォイトヴィチ[Stefania Woytowicz]、メゾソプラノ(アルト)はルクレティア・ウェスト[Lucretia West]です。

第一楽章
第一主題は荒っぽく、葬送行進曲はギスギスと。第二主題は緩やかさを見せますが速めで、コデッタも荒々しさが際立ちます。
展開部の第二主題は穏やか淡々としていますが、コデッタの山場はまたもや荒れます。第一主題は荒れた緊迫感から鬱蒼とした異様な足取りで暴虐の山場へ。コーダは陰鬱感から漲る緊張感です。当時から速めで強烈な出し入れと荒々しさで狂気さえ感じる第一楽章です。

第二楽章
主要主題はメヌエット風ですが、肩に力の入った堅さがあります。トリオは淡々と、主部回帰は揺さぶって、最後の主部動機ピチカートもギスギス感が凄いです。テンポは標準的ですが優美優雅さは薄いアンダンテです。

第三楽章
主部は速めで なだらかさに欠ける尖った『子供の不思議な角笛』。中間部も荒っぽさ抜群?!で、ドッカ〜ン!と入って来ます。トリオ回帰の動機の荒れ方は狂気です!!

第四楽章
主部アルトと管楽器は一気に落ち着きます。テンポも違和感なく、そこはルツェルンと同じです。トリオは速め、そこも同じ流れですがこちらの方がより速いかも。

第五楽章
提示部第一主題は極端に荒っぽく激しく、hrの動機とバンダは落ち着いて、"復活の動機"もピチカートを生かしたtb, tpで粛粛と鳴らします。ルツェルンと同じ印象です。最後の動機群はかなり強いディナーミクの出し入れになって刺激性が高いです。
展開部入りは強烈な暴れ方でそのまま"死者の行進"へ突入します。速めで威風堂々の行進曲を作っていて落ち着いたかと思いきや…最後は荒れてくれますw
再現部前半は速めで緊張感を付けて猛烈にストレット、聞いた事が無いような激しさです。静に落としてバンダの掛け合いから現れる合唱はもちろんしっかりと抑えを効かせています。アルトの "O glaube, Mein Herz, ..." は落ち着き払って登場し緊迫感を上げると、男声合唱が力感を込めて歌い、見事なハイコントラストのsop/alto重唱が続きます。そして "Aufersteh'n!" で派手に華々しく感激的なラストで締め括ります。ぜひ歌詞を手元に!!


始めから終わりまで出し入れ強く荒っぽい暴力的マーラー2です。テンポ設定はこの時代から既に前半楽章速めです。

古い録音も荒さに加担していているでしょうが、演奏が破綻をきたす事はなく、第四楽章などはしっかり落ち着いています。何処までがアバドの狙いで、何処からが初顔合わせの緊張感なのかは不明です。

一つ付け加えるなら、個人的には好きな演奏だと言うことでしょう。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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