FC2ブログ

アルバン・ベルクの歌劇「ヴォツェック」を個性派ブルーノ・マデルナのDVDで

このブログのメインは現代音楽なので、約50年前の古いこの映画版DVDの注目ポイントはブルーノ・マデルナです。


Conductor
ブルーノ・マデルナ
(Bruno Maderna, 1920-1973)
個人的に好きな現代音楽家で指揮者です。前衛全盛期にトータル・セリエルを牽引し、指揮者としてはあのシェルヘンに師事して超個性的で素晴らしいマーラーやシェーンベルクを残していますね。(インプレしてあります)


Album Title | Composer
ヴォツェック Op.7 (Wozzeck, 1925年)
アルバン・ベルク (Alban Berg, 1885-1935)
新ウィーン楽派の中ではシェーンベルクと共に好きな音楽家です、ヴェーベルンは苦手ですがw
「ルル」と並ぶベルクの代表作オペラですね。三幕それぞれが明確な音楽構成を持っていて、"I. 5つの性格的作品" - "II. 5楽章交響曲" - "III. 6つのインヴェンション"、ですね。各幕・各場は舞台と整合して、三幕五場の作品となっています。(第三幕には間奏曲が入って"6つの…"となります)

ルル同様陰惨な作品になりますが、その両者を合わせた様なB.A.ツィンマーマンの名作「兵士たち」の元にもなっていますね。現代音楽オペラ(映像付き)は、作品により所謂(いわゆる)オペラと楽しみ方も違う事があります。今回のポイントは2つです。

■ 救済も大団円も無い陰惨ドロドロのストーリー。
マデルナ指揮のベルク現代音楽としての楽しみ。





(所有盤は左です。右は国内発売盤ですね)


音楽
無調ですが旋律感は強いので、前衛現代音楽としては聴き易いですね。歌唱は音の跳躍が大きく、一部はシュプレッヒゲザングになって 前衛初期の時代を感じさせてくれますね。特に役柄によってシュプレッヒゲザングを強くしているのも印象的です。
一幕では十二音技法が使われていますが、それは技法的にであり旋律と言ったものが存在するのがベルクらしさですね。第二幕はより調性感が強く交響曲構成で聴き易く、第三幕はセリエル的なパートを感じます。間奏曲は多調の後期ロマン派的ですね。(構成上はフィニッシュ前のコーダの位置付けになります)

マデルナは例によって派手な出し入れの強い流れを作ります。ただ声楽が主役のオペラですから得意の極端なアゴーギクの振りは避けている様です。それでもメリハリの良さは音楽だけを楽しんでも十分満足できるでしょう。


配役
唯一表情豊なタイトルロールのトニ・ブランケンハイム(Toni Blankenheim)が印象に残ります。ただ映画版なので、自由度の高い映像とセッション録音で作り込まれた完成度になるでしょう。舞台と違い映像と歌唱(音楽)の一体感が薄く、ここで配役の印象をコメントするのは難しいと思いますね。(映像無しで聴いた方が素晴らしさを感じます)


演出
1970年前後のオペラは時代背景に忠実に作られていますから、ここでもその様な設定(1820年頃)になっていてストーリーも基本通りですね。今の演出は現代の舞台設定やアヴァンギャルドですから、基本を知らないと その面白さがわかりづらいのが事実です。
個人的には、この作品こそドロドロの前衛演出で楽しみたいとは思いますが。


完成度が高くストーリーもわかり易いのですが、映画版はどうしても好きになれませんねェ。映像なしで音楽だけ楽しむ方が曲や歌唱の素晴らしさが満喫出来ます。問題は独語の歌詞だけでは追いづらい事でしょうか。

マデルナのコントラストの強い流れと、各配役のいずれも完成度の高い歌唱を期待する貴方にはオススメです。もちろんカラーで音も問題ありませんがmonoなのでご注意を。



なんとYouTubeで英語字幕付き全編観られます!




 ▶️ 現代音楽の楽しみ方  ▶️ 現代音楽CD(作曲家別)一覧


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kokoton

by kokoton
.

    

カレンダー
06 | 2021/07 | 08
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
ようこそ
カテゴリ
ありがとうございます