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トビアス・フェルトマンの『シベリウス | ラウタヴァーラ』フィンランドのヴァイオリン協奏曲集

アルファ ・レーヴェルからリリースする若手ヴァイオリニストのフェルトマンのフィンランドの近現代ヴァイオリン協奏曲集ですね。


Album Title | Player
Sibelius | Rautavaara : Violin Concertos
Tobias Feldmann, vn (トビアス・フェルトマン, b.1991)
フィンランドを代表する作曲家シベリウス、そのシベリウスの晩年に接点のあるラウタヴァーラ、二人のヴァイオリン協奏曲です。フィンランドの近代音楽から現代音楽への流れを聴き比べられますね。曲順はラウタヴァーラが先になっていますが、年代順にシベリウスから聴こうと思います。

演奏はドイツの若手(29)ヴァイオリニストのフェルトマン、指揮はジャン=ジャック・カントロフ、リエージュ王立フィルハーモニー管弦楽団(ベルギー)になります。







ジャン・シベリウス
(Jean Sibelius, 1865-1957)
何の説明も不要のシベリウスですが、個人的印象は 叙事詩"カレワラ"とフィンランド愛国歌の"フィンランディア"です。そして北欧の風景の様な流れですね。その楽風の影響は、現代音楽の時代を向かえても残りました。
元はヴァイオリニストですが、ヴァイオリン協奏曲はこの一曲だけですね。1903年に作られ1905年に改訂されています。理由はメンデルスゾーンだかブラームスだかの影響とか… (初演の指揮者はR.シュトラウスですね)

ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47 (1905年)
 古典的な"allegro - adagio - allegro"の構成です。きっちっとしたコンチェルトで古典派の印象を受けますね。そう言った意味ではブラームスの印象が浮かぶかもしれません。(ブラームスは個人的には古典派です。年代はロマン派ですが)
その中にロマン的な旋律が浮かんで来るのはメンデルスゾーンになっていて折衷的ですね。カデンツァは技巧的で情熱的です。フェルトマンのvnもビシッとした硬派の印象になっています。緩徐の第二楽章も北欧の風景の様な印象ではなく、シューマン風な流れです。(後期ロマン派でもありませんね)

残念ながら1905年としては全体的に古臭い印象を受けてしまうかもしれません。



エイノユハニ・ラウタヴァーラ
(Einojuhani Rautavaara, 1928-2016)
シベリウス・アカデミーで学び、シベリウスの推奨により奨学金を得てジュリアードに行っています。年代的には欧州ならエクスペリメンタリズム世代です。セリエルに手を染めてもいますが、セリエル的な技法であって前衛実験方向の無調ではありません。その後は調性の薄さを活かした北欧の空気の様な広がりを感じさせる印象ですね。
多作家ですがヴァイオリン協奏曲はこの一曲しか書いていません。カデンツァはフェルトマン本人によるver.です。

ヴァイオリン協奏曲 (1977年)
 "I. Tranquillo - II. Energico" の二楽章構成で、第一楽章の導入部から繊細で北欧の空気を感じる様です。ここでは、調性の薄さを活かしたフェルトマンのvnの音色は細く切れる様でピッタリですね。重厚な第一トリオ?も北欧の天気の変化の様でラウタヴァーラらしさを感じます。長いvnダブルストップも良いですね。中間部でもそうですが、オケの各パートとのカデンツァのやりとりの様なパートが多いのも特徴的です。
第二楽章はアレグロ的で表情が豊です。打楽器の使い方の上手さを感じますね。途中に挟まれる緩徐パートの幽玄な美しさは冷たい空気の様です。フェルトマンver.のカデンツァもダブルストップと繊細さがあって、この曲にフィットしています。

機能和声をベースに調性の薄さを活かし、北欧の風景を描く様なラウタヴァーラらしい素晴らしい楽曲ですね。



 ★試しにYouTubeで観てみる?
  アルファ・レーベルによるPV? 演奏風景が見られます



シベリウスは少し残念ですが、ラウタヴァーラの北欧らしい素晴らしさが楽しめます。

フェルトマンのvnは太い音色に堂々とした姿勢を感じますね。ドイツ的な印象で北欧的ではない感じです。P.ヘルスタールのvnで聴きたかった気もします。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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