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セナテット(SCENATET)で聴く, イェペ・ユスト・クリステンセン(Jeppe Just Christensen)の『Songs & Movements』:デンマーク前衛実験音楽

音楽家(作曲家)だけでなく、DACAPOレーベルとセナテット共に気になるオール・デンマークの前衛ですね。


Composer
イェペ・ユスト・クリステンセン
(Jeppe Just Christensen, b.1978)
デンマークの現代音楽家でデンマーク王立音楽アカデミーで習い、今は同学院で教鞭をとっていますね。ベント・ソアンセン(Bent Sørensen)に、またドイツでヴォルフガング・リームにも師事しています。特徴的なのは日常の中からツールを楽器として用いる事で、ジャケットにある様なものですね。そしてエレクトロニクスを導入しています。
楽曲は、Recherche, Klangforum Wien、と言った著名な前衛アンサンブルにも採用されていますね。


Album Title | Player
Songs & Movements
SCENATET w/Jeppe Just Instituttet
"recycling, nostalgia, instruments, and toys" がポイントとなる奇妙な?音楽です。具体的には"エッグスライサー、コーヒーグラインダー、おもちゃのピアノ、メロディカ他自家製のおもちゃ楽器"での演奏という事になりますね。(もちろん通常の楽器も入ります)

演奏は注目のデンマーク前衛アンサンブルの"SCENATET"です。以前も紹介済みのセナテットですが、前衛アンサンブルであると同時にインスタレーション・パフォーマーでもある事が素晴らしく、CDだけではその先進性を感じるのが難しいかもしれません。①のみJ.J.クリステンセン自らのパフォーマンス・ユニット"Jeppe Just Instituttet"がパーカッションで入ります。






Three Songs in 9 Movements (2015)
9の楽章を3-3-3にグループ分けして、メロディーとコードを3グループの各楽章で合わせてあるそうです。使われているのは通常の楽器と家で作った楽器?で、子供時代のノスタルジーだそうです。
一つ目の楽章はvoice入りのバロック風の様な流れ、処々で調性は崩れますが。次は奇妙な楽器の織り成すオモチャのサウンド。三つ目の楽章はそのポリフォニー。それがx3のグループ(サイクル)になっています。楽章とサイクルが進むにつれて破滅的な流れが入り込んだり、入り乱れたりします。特に3つ目の楽章の音と前衛性が楽しいですね。
オモチャのサウンドから前衛混沌へのメタモルフォーゼで、最後は回帰かもしれません。


Movin' (2005)
反復中心のノイズ&リズムで、"ギロ"が中心にいますね。音楽というよりも、何かガタガタ・ゴトゴトと音を立てていると言った感じです。まさに前衛です。オマケの様な短い第二楽章もテンポアップするだけで同じですね。本人によると"反復は全く同じ繰り返しで演奏は出来ない"との事で、信念がありそうですね。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  2012年のダルムシュタット夏季現代音楽講習会、Curious Chamber Players
  の演奏です。(SCENATETの方が面白いかな…)


Douglas (2009)
飛行機の中で聴いた奇妙な音を再現しているそうです。楽器はスプリングとパテナイフで作られたハシゴも使われて、犬の吠えるのも真似ているとか…
フリージャズと言えばピッタリの感じです。ライナーノートの"Giant Step"の旋律のモディファイも感じます。ここでも何かを叩く様なオモチャ・パーカッションが印象的ですね。ガタガタ・ボコボコ・ピーィ!!!です。この音を航空機で聞いたとしたら驚きとしか言えませんw



とにかく奇妙な楽器音での構成が顕著で、特殊奏法に対比する様な面白さを感じます。そしてパーカッション、と言うか何かを叩く音、でリズムの色付けですね。

反復とリズムが支配する混沌の世界。そこから①の構成感の強い流れに楽風も変化を見せていて期待値の高いデンマーク前衛実験音楽ですね。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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