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オルガ・ノイヴィルト(Olga Neuwirth) の「Orchestral Works」は豪華メンバーで楽しめますね

このアルバムのポイントの一つはその魅力的な顔ぶれ、ハーデンベルガー(tp), タメスティ(va), メッツマッハー(cond.), マルッキ(cond.), ハーディング(cond.), ですね。


Composer
オルガ・ノイヴィルト
(Olga Neuwirth, 1968/8/4 - )
今や中堅の安定した女性現代音楽家の一人ですね。オーストリア・グラーツ生まれで若くしてトランペットと作曲を学び、米に渡り作曲理論や映像を習っています。作曲では3人に影響を受けているそうで、A.ヘルツキー、IRCAMでのミュライユ、そして後期のノーノとの出会いでその共産主義的方向性に同調していますね。
楽風はノイズと出し入れの現代音楽ですが、方向性が調性回帰的になって来ています。


Album Title | Player
Orchestral Works
まず三曲の演奏メンバーを紹介しましょう。
 ①:Håkan Hardenberger(tp), Ingo Metzmacher(cond.), Gustav Mahler Jugendorchester
 ②:Antoine Tamestit(va), Susanna Mälkki(cond.), ORF Radio-Symphonieorchester Wien
 ③:Daniel Harding(cond.), Wiener Philharmoniker
人気のソリストと指揮者が並びましたね。曲ごとに異なるのも凄いです。

元はトランペッターのノイヴィルトですから①への思い入れは強そうで、トランペットはマイルス・デイヴィスがお手本だったと語っているのがイイですね。
ライナーノートには各曲楽章の詳細な解説が載っていますが、影響されない様に自分の聴いたインプレにしたいと思います。






...miramondo multiplo..., for trumpet and orchestra (2006)
ハーデンベルガーに献呈された5パートのトランペット協奏曲です。
いきなりのトゥッティ、そしてtpとオケの鳴りの良い協奏になります。多少の調性の薄さはあるのかもしれませんが、機能和声の音楽に聴こえます。各パート、基本的には派手な音を主体としていますね。緩徐のパートII. のtpはマイルスのミュートを感じますね。
明瞭な主題・旋律が存在しない今の時代の新古典主義的音楽ですね。ハーデンベルガーのtpは朗々とした通りの良さを感じます。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  コンサートで抜粋ですが、tpはハーデンベルガーです



Remnants of Songs ... An Amphigony, for viola and orchestra (2009)
5パート構成でタメスティのために書かれています。ノイズ系に復帰?!しています。vaのノイズを含めたソロから入り、派手なトゥッティでオケが入って来ます。そこからもタメスティの技巧的な切れ味鋭い弦音がリードしながら、調性感も漂わせる出し入れの強い無調の混沌が心地良いですね。パートIV. の様な強い調性回帰は残念に感じますが、このノイズと出し入れがノイヴィルトですね!! タメスティのvaもキレキレです。


Masaot / Clocks without Hands (2013)
演奏オケのウィーン・フィルに献呈された作品です。スタートはノイズからトゥッティのお約束。タイトルのClocksの時計ノイズを入れてポリフォニー混沌、緊迫感、pとfのコントラストといったノイヴィルトらしい構成を見せてくれます。反復とモードも取り入れて、明確な調性のパートは'引用'と思われます。後半になると処々で調性色が強くなるのはガッカリですが、最近の傾向かもしれませんね。



楽風の変化が21世紀になってノイズ系から①の様な調性軸足の新古典主義的になっています。元々の派手でドン・シャン的な響きは聴きやすくなりますが、スリルは無くなり残念な舵の切り方になってしまいますね。

②③の様に本来?のノイヴィルトらしいパートがある楽曲もあるので、今回はそちらを楽しみましょう。何れにしても商業受け的な調性回帰方向は残念です。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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