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イザベル・ファウスト(Isabelle Faust) のシェーベルク『ヴァイオリン協奏曲 | 浄夜 』



Album Title | Composer
Violin Concerto | Verklärte Nacht
アルノルト・シェーンベルク (Arnold Schoenberg, 1874-1951)
"ヴァイオリン協奏曲"はシェーンベルク後期の新古典主義作品で、好きな曲の一つです。"5CD聴き比べ"もしています。(この演奏も追記予定です) 激しい技巧曲で、オケの演奏にもそれと同じくらいの情熱が要求されて良し悪し(好み)が明確に出ると思います。

"浄夜"は数多の演奏が残る前期の人気曲なので、このブログでもマデルナやストコフスキーといった"個性派3CD聴き比べ"もしています。弦楽六重奏曲ver.として印象に残るのはアルディッティ、カメラータ・ベルンですね。


Player
イザベル・ファウスト (Isabelle Faust, b.1972)
シェーンベルクの"ヴァイオリン協奏曲"と"浄夜"を、ファウスト/ハーディング(スウェーデン放送響)、ファウストが募ったその顔ぶれがとても興味をそそる弦楽六重奏曲版で楽しめます。このところコンスタントにアルバムをリリースしているファウストなので楽しみにしていました。

"浄夜"の顔ぶれはファウスト以外は次の通りです。
・アンネ・カタリーナ・シュライバー (Anne Katharina Schreiber, vn)
・アントワン・タメスティ (Antoine Tamestit, va)
・ダヌーシャ・ヴァスキエヴィチ (Danusha Waskiewicz, va)
・クリスティアン・ポルテラ (Christian Poltéra, vc)
・ジャン=ギアン・ケラス (Jean Guihen Queyras, vc)







ヴァイオリン協奏曲 Op. 36 (1936年)
(第一楽章:アレグロ)は第一主題から濃厚な音色、第二主題で静まりながら緊張感を与えて、vnとオケが対峙します。その後もvnとオケが押しては引きの流れで良いコントラストを作っています。vnは繊細な切れ味主体の印象です。カデンツァは澄んだ神経質さです。
(第二楽章:緩徐)も繊細な音色は変わらずに、静的神経質のエモーショナルな色付けをしています。細く切れてしまいそうなvnは特徴的です。
(第三楽章:フィナーレ・アレグロ)では主要主題?もバランスが良くコントロールが効いています。ただ、その後の激情的な演奏を見せてもよいパートもvnは冷めていますね。カデンツァも同じ感じです。
 ファウストのvnは激情ではなく表現力でしょう。落ち着きながらも先鋭な音色を主体にしていますね。オケも鳴りよく、出し入れを強く、この曲らしい急変化を上手くコントロールしていてvnを生かしている感じです。
劇的・技巧性方向よりもコントロール・繊細な表現の演奏ですね。


浄夜 Op. 4 (1899年)
(第1パート)の主題は静的に入って来ますが情感は低めで淡々とした印象です。そこからディナーミクと緩いアゴーギクを振って揺さぶりをかけています。主題回帰で落ち着き、再び激しい感情を表現します。
(第2パート)の緩徐の美しい主題はやや速めで甘美さは避けて、すぐに出し入れの強い流れに入って行きます。
(第3パート)でも主題は激しい揺さぶり、そして鎮まります。
(第4パート)この曲のメインとも言う主題に酔いしれる様な美しさがありません。第二主題は静かな中に優しさを感じましたが、このパートには全体を包む様な優しさが欲しい気がしました。
(第5パート)静的クールな流れで感情を排した印象です。指揮者がいたら感情表現は上がったのかも…??
全体としては揺さぶりを強くかけていますが演奏の為の構成に感じます。共演があるにしても一期一会の顔ぶれでは仕方がないかもしれません。



ヴァイオリン協奏曲は完成度は高いのですが、もう少し感情的になって入り込んで欲しい感じがしましたね。浄夜も全体の構成の見事さはありますが、この曲の主題の美しさが伝わらないのは少し残念です。

見事な演奏でクールなシェーンベルクだと言えば、その通りでしょうか。個人的には少し期待とは異なった作品となりました。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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