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トーマス・アデス(Thomas Adès)の『ADÈS CONDUCTS ADÈS』ピアノと管弦楽のための協奏曲 / 死の舞踏



Composer
トーマス・アデス
(Thomas Adès, 1971/3/1 - )
英現代音楽家でピアニスト、指揮者ですね。前回のインプレでブリテンとの類型やナンカロウとのピアノの話は書きました。その後のインプレで、ボストリッジとのシューベルト"冬の旅"では伴奏ピアノを演じています。

前衛現代音楽ではありませんが、なぜか興味をそそられる今注目の音楽家の一人ですね。ちなみに今年の"武満徹作曲家賞"、2020年度審査員を務めますね。新コロナウィルスで5月31日の本選演奏会開催が危ぶまれますが。


Album Title
ADÈS CONDUCTS ADÈS
ピアノと管弦楽のための協奏曲 / 死の舞踏
2曲の管弦楽曲のLive録音ですね。"ピアノと管弦楽のための協奏曲"は本アルバムの演奏者であるボストン響がpfのキリル・ゲルシュタイン(Kirill Gerstein)のために委嘱した作品です。

"死の舞踏"は2013年のプロムスで本人指揮で初演され、今回が初録音になりますね。ルトスワフスキと奥さんの思い出に捧げられています。15世紀の作者不明のTextが使われていて全15パート、バリトンが"死"を歌い、メゾソプラノが他の登場人物を歌います。

演奏はアデス本人指揮、ボストン交響楽団(Boston SO)。二曲目にはメゾソプラノにクリスティアーネ・ストーティン (Christianne Stotijn)、バリトンにマーク・ストーン (Mark Stone)が入ります。






Concerto for Piano and Orchestra (2018年)
第一楽章はアレグロ的で、調性の薄いpfのアルペジオが印象的です。オケも寄り添う様に幽玄な音色を重ねます。第二楽章は緩徐楽章で、独特の和声(和音)での入りからpfの美しい調べがいいですね。調性の薄さを最大限生かした今の時代のクラシック音楽的です。第三楽章では速い流れをpfが作り、強音のスケルツォ的でパワープレイの楽章です。中間部(トリオ)の様なスローパートが挟まれていて、フィニッシュは派手でコンサートで好まれるでしょうね。
無理やり言うなら調性の薄い新古典主義風の楽曲と言った感じでしょう。


Totentanz (2013年)
 for Mezzo-Soprano, Baritone and Orchestra
15パート, 約40分の楽曲です。派手でバリバリのパートと幽玄なパートをバリトンとメゾソプラノが歌いますから、いかにもタイトルらしい流れが作られています。ここでは明確さや美しい旋律を避けた機能和声の現代音楽オペラの様に聴こえますね。実際には調性は薄いのですが、肉声はいつでもそう聴こえます。オケの演奏も派手な打楽器や管楽器の鳴りが感じられます。"Totentanz"好きの方にお伝えすると、特に"怒りの日"のパラフレーズは使われていませんw ラストは"tanzen"(踊れ!)を繰り返しながら陰湿な暗がりに消え入ります。
"X. Der Tod zum Kaufmann"など倒錯混沌的な激しさで、コンサートで一度聴いて見たい楽曲です。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  世界初演の"Proms 2013"です!!
  冒頭で本人の話も聞けますね。オケはこちらの方が抑えが効いて好みかも…




薄い調性感と出し入れの強さはアデスらしさですが、実験音楽的な方向性、例えば微分音や特殊奏法、は使われていないので聴き易いです。今の時代のクラシック音楽になるでしょうね。

基本はドンシャン的な派手さがありますから、コンサートでは受けそうです。そういう事もあって委嘱が多いのは当然でしょう。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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