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ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(Hans Werner Henze) のコントラバス作品集『Works for Double Bass』: ダニエレ・ロッカート


Composer
ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ
(Hans Werner Henze, 1926-2012)
ヘンツェが亡くなって8年になるんですね。現代音楽黎明期から全盛期、そして停滞期とその前衛時代を生きたドイツの現代音楽家ですね。

その時代を生きたので十二音技法等を足掛かりにはして無調にはなりますが、実験的前衛ではありません。調性感のある旋律や多様性は今となると時代の流れに合っていたと言う事になるのかもしれません。


Album Title | Player
Works for Double Bass
ダニエレ・ロッカート (Daniele Roccato, b.1969)
ローマを拠点に活躍するコントラバス奏者ダニエレ・ロッカートをフィーチャーしたヘンツェのコントラバス作品集です。ロッカートは現代音楽のコントラバス曲を得意としていて、現代音楽家でコントラバス奏者ステファノ・スコダニッピオ(Stefano Scodanibbio, 1956-2012)の作品集「Alisei」もリリースしています。(インプレしています)
そのスコダニッピオと創設したコントラバス・アンサンブル"Ludus Gravis ensemble"が、今回も「Trauer-Ode」で登場しますね。






San Biagio 9 Agosto ore 12.07 for solo double bass (1977年)
ヘンツェらしい浮遊感の無調旋律のコントラバス・ソロ曲です。反復とその変奏も感じますね。ハーモニクスも使いながらロッカートは陰影付けを強く響かせます。


Concerto per contrabbasso ed orchestra (1966年)
三楽章のコントラバス協奏曲です。幽玄なcbとオケは無調旋律のポリフォニー構成になっていますね。オケの各楽器間もポリフォニーで、山場になるとある程度のホモフォニーの関係を構築しています。各楽章でその比率が異なりますが、その辺を味わうとヘンツェらしい楽曲が楽しめそうですね。一部パートでは新古典主義的な様相も見せます。
コントラバスの超絶技巧性も味わえ、音も良く鳴っていて可能性を感じさせてくれています。古い作品ですが、今の時代に合っているのではないでしょうか。


Serenade version for solo double bass (1949年)
7パートのソロ曲です。陰影の強い暗い無調旋律が基本となっています。ここでもハーモニクスとピチカートが特徴的に使われています。cbが色々な表情を見せてくれますね。


Trauer-Ode version for six double basses (1977, rev. 2010年)
ヘンツェのチェロ曲をロッカートが6人のコントラバス用に編曲したヴァージョンで、Ludus Gravis ensemble(コントラバス・アンサンブル)の出番です。
ポリフォニーとホモフォニーを彷徨う様な微妙な無調の旋律構成です。それがヘンツェですね。そこにソロパートがカデンツァの如く現れて入れ替わって行きます。やや混沌さを見せながらの変化の面白さがあります。同じcbなのですが、高音と低音での落差も印象的ですね。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?



ソロも良いのですが、コンチェルトや多編成の曲の方が味わい深くなっていますね。6cbの"Trauer-Ode"の混沌の面白さはロッカートの編曲も一役買っているでしょう。ロッカートのcbも表情があり鳴りの良さを感じます。

同じコントラバス作品集でも、前回インプレした古典-ロマン派のボッテジーニとは一味違います。cb現代音楽の楽しさがありますね。



 ▶️ 現代音楽の楽しみ方  ▶️ 現代音楽CD(作曲家別)一覧


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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