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前衛フルート奏者 マヌエル・ズリア(Manuel Zurria) のポスト・ミニマル『Repeat!』


マヌエル・ズリア
(Manuel Zurria, b.1962)
イタリアの前衛現代音楽フルート奏者のM.ズリアですね。
特徴的なのは、著名前衛現代音楽家の作品をフルート曲として取り上げて、かつそれらをエレクトリック処理してフィールドレコーディング等とミュージックコンレート化までしている事でしょう。それらを自ら手掛けているので、単なる演奏家としてと言うよりもミュージック・ディレクターとしての活動と言えるかもしれませんね。


Repeat! (2007)
上記の内容通りの3CDになりますね。このブログでもインプレしているビッグネームの現代音楽家がずらりと並びます。有名曲のJ.ケージ「龍安寺」は様々な演奏ver.がある訳ですが、A.ペルトの作品などはズリア自らがアレンジまでしています。計21曲で、あらゆるミキシングが実施されていて一曲づつのインプレではなく全体でのインプレにしようと思います。それがズリアの構成でしょうから。

ズリアはこのコンセプトをこの後も続けていて、2017年リリース「Hotel Boltanski」では細川俊夫さんも取り上げられています。ズリアの作品は一枚持っていてもいい感じですね。






【CD1】1. Pebble Playing In A Pot (László Sáry), 2. Pari Intervallo (Arvo Pärt), 3. Madame De Shanghai (Madame De Shanghai), 4. Lacrimosa (Louis Andriessen), 5. Immagine Fenicia (Salvatore Sciarrino), 6. Spiegel Im Spiegel (Arvo Pärt), 7. De Lijn (Louis Andriessen), 8. Canon (László Sáry)
【CD2】1. Kirkman's Ladies (Tom Johnson), 2. Walking Song (Kevin Volans), 3. Ryoanji (John Cage), 4. Trio For Flutes (Morton Feldman), 5. 947 (Alvin Lucier) 6. 32 Breaths (Tom Johnson)
【CD3】1. Ritorno A Cartagena (Stefano Scodanibbio) 2. Canzonetta (Aldo Clementi) 3. In Canes Venatici (Viktor Ekimovsky) 4. Ricercare Una Melodia (Jonathan Harvey) 5. Landscape Ad Hoc (Zoltan Jeney) 6. Parafrasi 2 (Aldo Clementi) 7. Voyage Resumed (Stefano Scodanibbio)


まず耳に入るシャーリはタイトル通りの反復旋律(Repeat)です。サンプリングで構成されているいくつかの旋律が反復で絡み合うポスト・ミニマルになるでしょうね。ペルトの二曲はティンティナブリのミニマルですが、ズリアによってドローン系電子音楽とアンビエント的な曲になっています。フィールドレコーディングで会話がオーバーダビングされているフェラーリの曲はfl音のロングトーンが面白いです。共振共鳴の様なアンドリーセン、特殊奏法ノイズ的なシャリーノ、voiceとflの徹底反復T.ジョンソン、とヴァリエーションは豊かです。

何と言っても仏法的和声でflが尺八の如くに響くJ.ケージの龍安寺が構成上でも特徴的な流れになっていますね。この龍安寺を中心にして折り畳む様に前後半の構成感を感じます。この曲でエンディングでも良かった気もしますが、折り返し以降にフェルドマンやアルヴィン・ルシエ、エキモフスキーのロングトーンの共鳴を並べて流れを変えたのも面白いですね。


 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  Tom Johnson の「Kirkman's Ladies」ですね
  第1週から第15週まで、月曜日から日曜日の反復です



とにかく飽きさせない構成力がすごいですね。ポストミニマルなのですが、あらゆるテクと発想を動員してヴァリエーションを作っています。その中にあってジョン・ケージの「龍安寺」は格別存在感のある一曲になっていますね。

一曲一曲を真剣に聴いて考える必要はないでしょう。流しておいて、その中に居れば楽しめます。アンビエントとも言える最高にお洒落なBGMになっていますね。マヌエル・ズリアのプロデュース力に一票を投じましょう。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。


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