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ロイヤルコンセルトヘボウの現代音楽 "Horizon 8" で聴く, ジェームズ・マクミラン「トロンボーン協奏曲」他


Horizon 8
(MacMillan, Knussen, Ali-Zadeh)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(Royal Concertgebouw Orchestra, 以下R.C.O.)が現代音楽を取り上げるシリーズ "HORIZON" の第8弾ですね。

今回は三人の現代音楽家で、委嘱作品(初演)の二曲(マクミランとアリ=ザデー)を含む協奏曲二曲と声楽曲になります。指揮者は三曲とも異なりますね。







ジェームズ・マクミラン
(James MacMillan, b.1959)
このブログではお馴染みの英現代音楽家のビッグネームですね。近年作品が楽しめるのは嬉しい限りです。

Trombone Concerto (2017初演)
 「トロンボーン協奏曲」指揮はイヴァン・フィッシャー、R.C.O.の主席トロンボーニストで献呈されたヨルゲン・ファン・ライエン(Jörgen van Rijen)ですね。
第一楽章は繊細な弦楽から入り調性の薄い流れのポリフォニーで、中間部では地鳴りの様な音色を響かせ調性の派手なオケになり、主部回帰します。第二楽章では明るい音色のtbがリードして激しいオケとの絡みとなり、対位的な流れから全休符を挟んでサイレンが鳴り響くと、静的な流れとなります。第三楽章は激しいサイレンでスタート。リズムの良いオケの流れにtbが乗って快走しますが、炸裂して静まりオケのtbとの激しい絡みが現れます。聴かせ処ですね。
 美しい静と華の対比が明確で、随分とマクミランが調性回帰しているのを感じますね。tbの超絶技巧カデンツァを味わいたい気がしました。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  マクミランとライエンによるShort documentaryです




オリヴァー・ナッセン
(Oliver Knussen, 1952-2018)
亡くなられてもう1年半になるんですねぇ。大柄な指揮者で日本でもお馴染みの英現代音楽家ですね。代表作で大好きな児童オペラ「かいじゅうたちのいるところ」をインプレしています。

Horn Concerto (1994)
 「ホルン協奏曲」ウィグルスワース指揮、元R.C.O.首席ホルン奏者フェリックス・デヴォー(Félix Dervaux)フィーチャーです。
オケもhrもバレイ音楽や舞台音楽の様な表情がありますね。時に派手で、時に神経質に、四楽章ですが切れ目はなく流れます。調性感が強くマクミランと似た傾向にありますが、より流れに情景変化が明確にあって表題音楽の風合いが強いですね。hrの音色が主役なのでフィルム・ミュージック風ではないので気持ち良く聴けます。ナッセンらしい楽しさです



フランギス・アリ=ザデー
(Franghiz Ali-Zadeh, b.1947)
ドイツ在住アゼルバイジャンのベテラン女性現代音楽家でピアニストですね。"Mugam Sayagi"では中近東和声が特徴的に思える記憶がありますね。
「ナシミ受難曲」は14-15世紀アゼルバイジャンの詩人イマードゥッディーン・ナシミ(Alī Imādud-Dīn Nasīmī, 1369–1417)のTextとの事ですが、ナシミ名や生誕は不明確な様です。ちなみに初演された2017年にナシミ没後600周年の行事がユネスコ本部で行われたそうです。

Nasimi-Passion (2017初演)
 「ナシミ受難曲」はブラビンズ指揮、6パートのバリトンと合唱団のオラトリオ風です。楽曲も機能和声範疇で出し入れの強い新古典主義的流れ、民族音楽の風合いも無調の気配もありませんね。語りと歌でも特異性は感じられません。以前のアリ=ザデーの個性が消えている気がします。楽曲としては楽しく、決して悪くはありませんが。



調性感の強い現代音楽が三つ並びましたね。時代が多様性現代音楽へと動いているのが明確なのと、チョイスがR.C.O.らしいと言う事になるのでしょう。聴き応えが楽しめます。

R.C.O.らしい柔らかい華やかさもあって、今の時代のクラシック音楽をコンサートで楽しむ、と言った流れに合致しているアルバムになっていますね。



マクミランの「トロンボーン協奏曲」が、次週 都響に本アルバムのヨルゲン・ファン・ライエン[tb]を迎えて日本初演があります。指揮は三曲目のブラビンズですね。


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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。


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