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クセナキス(Xenakis) の『プレイアデス, Pléïades』Salabert ver. を新録音 DeciBells で聴く


ヤニス・クセナキス
(Iannis Xenakis, 1922/5/29 - 2001/2/4)
建築家にして数学者、反戦で顔の左が崩れ片目負傷、派手な大音響、と言った印象がまず浮かぶ古典の前衛を代表する一人、フランスを拠点に活躍したギリシャ人現代音楽家ですね。ビッグネームで過去のインプレでも紹介していますので、割愛ですw

数学的音楽理論は別にして、サウンドを聴くとヴァレーズの印象をどうしても引き摺りますね。



Pléïades (1979年)
過去にも色々な演奏者でリリースされている代表作の一つですね。'sixxen'と呼ばれる楽器演奏ですが、造語で6人(six)アンサンブルとクセナキス(xenakis)から取っています。

この曲は四曲構成なのですが、それぞれフランス語で楽器の編成がタイトルになっています。そして一番の特徴は並び方が5パターン準備されている事ですね。クセナキスのオリジナルが2パターンで、それ以外に3パターンあります。そこが今回のインプレのポイントですね。

今回は唯一1曲目に"Claviers"(Keyboards, 鍵盤楽器)がくるSalabertヴァージョンですね。ちなみに委嘱した 'Les Percussions de Strasbourg' オリジナルでは, I.Mélanges - II.Métaux - III.Claviers - IV.Peaux, の並びでした。その後クセナキス本人がI.Mélangesを4曲目に移動するヴァージョンを作っています。

スイス創設のパーカッション・アンサンブル"DeciBells"による2018年録音です。(日本人のヤスイ・サキコさんが参加しています)






I. Claviers (Keyboards)
鍵盤打楽器パートです。鉄琴系の幽玄な響きと木琴系の細かな音色の対比でポリリズム/ポリフォニーです。反復の印象も強く、無調混沌と言うよりも機能和声的です。このパートだけでも曲としての成立性が高く素晴らしいと感じますね。

II. Peaux (Skins)
太鼓系打楽器パートで、リズム基本となります。太鼓類の響きが素晴らしいですね。まとまりが良く、ポリリズムの混沌を避けているかの様に感じます。リズム陶酔系のサウンドですね。ラストは怒涛からフェードアウトです。(ストラスブール盤はより出し入れが強いです)

III. Métaux (Metals)
金属系打楽器パートです。鳴り響くチューブは微分音チューニングだそうです。微分音とは思えない倍音の様な音色を感じる煌びやかさです。音程が作られて、繊細な反復陶酔的な様相を呈します。リズムだけでなく残響音の印象も強く感じますね。(ストラスブール盤は繊細な陶酔より、がっしりとしたスチールドラムみたいなガムランの和声を感じますね)

IV. Mélanges (Mixture)
全打楽器パートですね。ガムランの様な流れから入りますが、様々な様相を呈します。時に静に時に激しく、もちろんポリリズムです。ラストのトゥッティは素晴らしいですね。(ストラスブール盤の方がより力強くポリリズム感を表現しています)

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  PERCURAMA Percussion Ensemble による演奏です
  楽器構成が良くわかりますね




打楽器の編成を替えて、その楽しさと可能性を最大限に表現してくれていますね。カオスはありませんのでアンチ前衛系の方にもオススメできますね。出来ればヴォリュームを上げて聴くとその楽しさは倍増です!!





'Les Percussions de Strasbourg' 盤と比べると、全体的に熱した部分が少なくテンポも揺らぎが少ないDeciBellsはクールですね。

その違いは曲の並びが違いに生きていて、前半に幽玄・陶酔、後半に金属的な響でクールさをまとめています。力感のあるストラスブールは逆パターンで, ラストに強烈な打楽器陶酔系を持ってくるのが素晴らしいです。両者表情の違いが面白いですね。


(Les Percussions de Strasbourg, ストラスブール盤です)



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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。


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