心に響く『マーラー 交響曲 第9番』 «ネット配信» エド・デ・ワールト指揮 / ミルウォーキー交響楽団 2019年4月26, 27日
エド・デ・ワールト, Edo de Waart
(Milwaukee Symphony Orchestra)
(Milwaukee Symphony Orchestra)
デ・ワールトのマーラーは個人的に好みです。2009〜2017年まで首席指揮者、現在は桂冠指揮者を務めるミルウォーキー響を振ったマーラー9、PRX(オーディオ&ストリーミング)からの配信です。
英発音ではエド・デ・ヴァールトですね。
▶️ こちら(賞味期限は短いでしょうから、お早めにどうぞ)
英発音ではエド・デ・ヴァールトですね。
▶️ こちら(賞味期限は短いでしょうから、お早めにどうぞ)
(Live at Uihlein Hall, April 26-27th, 2019)

(写真はアウトリーチ活動組織'UPAF'のHPです。デ・ワールトも歳をとりましたね)
■ 第一楽章
抑えの効いた第一主題から緊迫感を与えた第二主題へ、反復で大きく広げ第三主題は鳴りよく。中心となる展開部は暗い緊張感からJ.シュトラウスIIの引用で緩やかに光を見せて、山場を派手に奏でると後半を緊迫混沌に彩ります。再現部は大きな波の様です。緩急の緊迫感が見事な第一楽章ですね。
■ 第二楽章
主要主題は洒脱に舞います。第一トリオではシャキッとして、第二トリオは優美に。三つの主題が舞曲の様に構成されますね。バレエ曲の様な美しい構成です。
■ 第三楽章
主要主題は刺激的に対位的旋律を絡ませます。副主題は軽やかに、中間部はあまりテンポ変化を付けず一休み的です。ラストはパワー、全体は軽やかさが光ります。
■ 第四楽章
主要主題はスローに大きく、哀しみより包み込む様な優しさです。第一エピソードは抑えた暗い流れから大きく穏やかに広げ、後半は静的ターン音型でラストを印象付けますね。第二エピソードでは入りのターン音型から哀しみを深く、張り詰めた緊張感から山場を奏でます。後半からコーダは静かに緩やかに別れを告げるかの様です。
コントラストと見晴らしの良さが心地良いマーラー9ですね。第一・第四楽章の緊迫感に対し、中間楽章の心地よさ。各楽章の中での緊迫感と柔らかさの対比、と言った素晴らしい全体構成です。
流石はデ・ワールトと言った完成度、オケもそれに応えていますね。聴き応え十分の素晴らしさです。
流石はデ・ワールトと言った完成度、オケもそれに応えていますね。聴き応え十分の素晴らしさです。