fc2ブログ

評判の高い ハインツ・ホリガー(Heinz Holliger) の「スカルダネッリ・ツィクルス, Scardanelli-Zyklus」という欧州前衛現代音楽


ハインツ・ホリガー
(Heinz Holliger, 1939/5/21 - )
日本でもお馴染みのスイス人オーボエ奏者にして現代音楽家、そして指揮者ですね。今回は現代音楽家としてのインプレです。作曲はS.ヴェレシュとP.ブーレーズに師事している訳ですが、無理やり言うならキラメキの音はブーレーズであり、幽玄さはヴェレシュを感じる訳です。楽風はもちろんバリバリの欧州エクスペリメンタリズムですね。


Scardanelli-Zyklus (1975 -1991年)
先日ヴェレシュをインプレした際に、H.ホリガーとこの作品を思い出しました。もちろん2017の国内初演もですが…(コンポージアムのインプレは残していません)

制作期間16年間(それも前衛の停滞期以降で)とあまりに長く、練習曲だの独詩人ヘルダーリンの'四季'だの組合せだのと言われても混沌で、それ自体が前衛です。37年間精神を病んで籠った詩人を表現と言われても…ですし、CD1と2の落差も飲み込みづらいです。一言で言うなら全22曲のパッチワークの現代音楽でしょうか。織りなす綾(モチーフ)それぞれも大切ですが、全体像を楽しみたいですね。

タイトルの "スカルダネッリ・ツィクルス" は異常をきたしたヘルダーリンが自らをスカルダネッリと称して"四季"の春・夏・秋・冬を繰り返し連作した事をテーマにしている様です。






曲の個別インプレはありません。【CD1】の合唱と演奏は通して"陰・鬱・暗・静" そして微妙な調性感を感じる無調、流れは素晴らしいですが正体が見えづらいです。"Bruchstücke"は一部クラスター的に音を発しますが、全体は蠢きですしね。声楽微分音は無理やり納得するなら"Winter III"や"Herbest II"でしょうか。(えっ、そこには無い?!w) シンプルですが、全体像を掴みづらい面白さを感じますね。

【CD2】では少し表情変化と技巧・技法が感じられます。静かな中にポリフォニカルな混沌蠢きが入ってきて、技巧的にもグリッサンドを使ったノイズ系と思しきものも感じられますね。合唱パートにも表現主義的な色合いもが強くなって、"Sommer I"の詩のポリフォニー朗読は面白です。"Ostinato funebre"は倍音の空間音響系の様な中にノイズが絡みポスト・セリエル的な感じですし、"Der gerne Klang"は少し雅楽和声を感じさせますね。話題に上がるフルート独奏曲"(t)air(e)"は、コンサートでは光りますがそれほど興味は湧きません。なにぶんflの超絶技巧現代曲は数多ありますから。(ファーニホウやサーリアホ、他)



興味深いのはCD1の方、蠢く様な流れで全12曲で一つの生き物の様です。流れに身を任せるのか はたまた使われている技巧を聴き解くのか、楽しみは尽きません。CD2の方は全体的に所謂(いわゆる)現代音楽を感じるでしょうね。

ぜひ手元に一枚置いて欲しい現代音楽アルバムで、マニアックな "Super無調BGM" としてもオススメです。



 ▶️ 現代音楽CD(作曲家別)一覧
 ▶️ 北欧近現代音楽CD(作曲家別)一覧

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kokoton

by kokoton
.

    

カレンダー
09 | 2022/10 | 11
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
ようこそ
カテゴリ
ありがとうございます