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デンマークの現代音楽家 ペア・ノアゴー(Per Nørgård) の無限セリーの数式と「交響曲 第2番・第6番」


ペア・ノアゴー
(Per Nørgård, 1932/7/13 - )
デンマークの現代音楽家ノアゴーと言えば、なんと言っても1960年代に構築した無限セリーでしょう。それまでの北欧和声から欧州前衛で猛威を奮っていたセリエルに踏み入り、独自の無限セリーを開発した事ですね。ポスト・セリエルと言うよりも、数学を使ったセリエル技法の一つになるでしょうか。

ただ、その使用は欧前衛の衰退が叫ばれた1970年代までで、以降は使われていませんね。楽風は無調前衛のスタンスを保ちつつ、21世紀に入ると調性回帰が強まり新古典主義的になります。

Nørgård-infinity sequence

 ▶️ 北欧近現代音楽CD(作曲家別)一覧



Symphonies 2 & 6
その無限セリーを使った第2番と、中期の第6番のカップリングになります。第6番は本CDのオスロフィル他 北欧3交響楽団からの委嘱作品で、ミレニアム(西暦2000年)を祝って作られていますね。三楽章形式ですが、ここでは"three passages"と表現されています。祝典音楽ですから楽しみですね。CDは2番が後になっていますが、年代順に聴きましょう。

指揮はヨーン・ストルゴーズ(John Storgårds)ですが、NørgårdもStorgårdsも日本語読みが相変わらずいろいろで戸惑いますねw






交響曲 第2番 In One Movement (1970年)
23'の一楽章形式で、ソナタや三部形式の様な構成感はありません。導入部は単音の共鳴の様な音の重なりで、まさに実験音楽風。所謂(いわゆる)交響曲とは縁遠いですね。そこから単純音階の音列配置的な音が重なりますが、弦楽のロングボウと面白いマッチングを見せてくれます。明確な旋律は存在しませんが混沌は少なく、アゴーギクも振ってあるので聴きやすさはありますね。無限セリーの音は解析値の様にターン音形風で反復の色合いが強く、煌びやかなセリエルの残照の様な音楽です。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  セーゲルスタム指揮デンマーク国立管の演奏です。



交響曲 第6番 "At the End of the Day" (1999年)
長い第一楽章は無調の煌めく混沌から入ります。基本は無調ポリフォニーですね。弦楽が主になるパートでは暗い印象になり、コントラストも付いて煌びやかです。第二楽章は暗闇の緩徐が面白く、アタッカで繋がる第三楽章は何と"Allegro energico"で変拍子的な派手な流れになります。この最終楽章は実に表情が豊かですね。



カラフルな管楽器とロングトーンの弦楽器が作るノアゴーらしい無調の煌びやかさは時代を超えて美しいと再確認ですね。処々に少し混沌を混えるのも変わりません。

楽風は似ていますが、表情が薄い2番よりも6番の方が面白さは上でしょう。2番には時代の流れを味わえますね。楽しい一枚です



 次回は究極の無限セリー作品である "交響曲 第3番" をインプレしようと思います。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。


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