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フィンランドの現代音楽家 セバスチャン・ファーゲルルンド(Sebastian Fagerlund) の 「isola」 を聴く


セバスチャン・ファーゲルルンド
(Sebastian Fagerlund, 1972/12/6 - )
フィンランドの現代音楽家でポスト・モダンの印象派などと書かれている事があり、前衛ではありません。トゥルク音楽院でヴァイオリンを習い、その後オランダやシベリウス音楽院でも作曲を学んでいます。マスタークラスでミカエル・ジャレルやマグヌス・リンドベルイにも師事していますね。
2016/17シーズンはロイヤルコンセルトヘボウの在籍作曲家を務めていた事からも、注目されているのがわかりますね。

 ▶️ 北欧近現代音楽CD(作曲家別)一覧


isola
ファーゲルルンドの出世作となった「クラリネット協奏曲」を含む、オーケストラ作品集になりますね。他にはパーカッションと弦楽奏という興味深い組合せの「パルティータ」、差別隔離諸島の島*を描いた管弦楽「イソラ」の三曲構成です。

* ファーゲルルンドの生まれ故郷 Pargas は、A.ベックリンの絵画 '死の島' で知られるハンセン氏病・精神病 隔離病院のSjälö島が近くにありました。自らの棺の木材集めをする病人の悲惨な生活と、環境だったそうです。ラフマニノフはその絵にインスパアされた同名作品を残していますし、独現代音楽家J.カリツケの "4つの死の島" は本ブログでもインプレしています。

演奏はディーマ・スロボジェニュク指揮、エーテボリ響になります。






Clarinet Concerto (2005–06年)
クラリネットは'RUSK Chamber Music Festival'の共同創設者であるクリストファー・スンドクヴィスト(Christoffer Sundqvist)です。
四楽章構成です。導入部はまるで先達を習うかの様な北欧風の澄んだオケの音色に技巧性の高いclが絡みます。その後もclは特殊奏法は使わずに技巧性の高い音色を奏でて行きます。第二楽章は、澄んだ音色とのドン・シャン的コントラストが効いています。第三楽章は幽玄な音色の緩徐をベースに進み、半ば過ぎに長く神経質なカデンツァが現れ、そのまま最終楽章のオケとの対比に入ります。新古典主義を感じるコンチェルトです。


Partita (2007–09)
  for string orchestra and percussion
当時流行った、S.グバイドゥーリナやJ.マクミランで、新神秘主義作品だとありますね。
幽玄さはフィルム・ミュージック的な印象もあります。そこに激しい打楽器が絡むのは、どうもパターンの様ですね。その後も静と動の対比を付けてきます。そのコントラストがファーゲルルンドかもしれません。幽玄さとキラキラした音色が特徴的ですね。色付けは神秘的ではありますが…


Isola (2007年)
  for symphony orchestra
英名'Islad'、'Korsholm Music Festival'の委嘱作品です。
ポリフォニー的な混沌から入りますが、すぐに反復を主体とした暗い緩徐へと移ります。その後は暗さを残しながら反復を意識した重く停滞した流れを作り、続くパートではテンポアップして緊迫感を与えながら反復・変奏の流れです。執拗な反復・変奏と重さの楽曲で、標題音楽らしいのでしょう。



暗く激しい新古典主義風で、このブログの方向ではない様です。幽玄さとドン・シャン的メリハリがあって米国でも受けそうな感じですね。

機能和声ですが北欧管弦楽の直系でもありません。もっと陰湿に沈めばA.ペッテションでしょうか。
もう少し踏み込んで聴いてみるか、さてどうしましょう?!




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。


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