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素晴らしい晩年のステンハンマル(Wilhelm Stenhammar)の「Sången (The Song), symphonic cantata 他」を鉄板のネーメ・ヤルヴィ/エーテボリ響で聴きましょう


ヴィルヘルム・ステーンハンマル
(Wilhelm Stenhammar, 1871/2/7 - 1927/11/20)
指揮者と作曲家で知られるスウェーデンを代表する音楽家ですね。以前も書きましたが、楽風は1910年を境としてドイツ後期ロマン派風から北欧らしい風景感のある構成に変化しています。まだ欧州前衛が生まれる前ですから技法的な進歩性はないのですが、独特の音の広がりはこの時代の北欧系作曲家の流れですね。

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Suite from Romeo och Julia・Sången・他
BISレーベルのネーメ・ヤルヴィ(Neeme Järvi)/エーテボリ交響楽団(Gothenburg Symphony)の録音は1982年のステンハンマルから始まっているそうです。このアルバムが2018年ですから長いですねぇ。

エーテボリ響はN.ヤルヴィが22年間主席指揮者として鍛え上げたオケで、その昔はステンハンマルも15年に渡り主席指揮者を努めていましたね。

本アルバムは後期オケ作品で、メインは4曲目の "Sången (The Song)" ですね。4人の声楽ソリストと混声合唱団・少年少女合唱団、そして大編成オケという大きな構成のカンタータです。もう一曲は最後の作品番号作品である"ロメオとジュリエット:組曲"でしょう。






Suite from Romeo och Julia, Op. 45 (1922年)
北欧の冷たく澄んだ空気の様な流れで、ソロパートには舞曲の様な民族音楽和声を感じますね。そのコントラストがとても心地よい曲で、まさに晩年のステンハンマルらしさを楽しめます。確かに大きく括れば後期ロマン派の派生でしょうね。


Reverenza, (1911–13年)
6'ほどの小曲です。メヌエットやスケルツォを思わせる様な流れに微妙な調性感を入れています。情感も強めですね。表題曲的で、単独曲と言うよりも組曲の一部の様な印象です。


Two Sentimental Romances, Op. 28 (1910年)
ヴァイオリン協奏曲になりますね。ちょうど楽風変化の時に当たる作品です。まだ、後期ほど北欧色は強くありません。vnの優しい旋律も明確で、後期ロマン派と言うよりもロマン派的に聞こえるかもしれませんね。タイトル通りかも。


Sången (The Song), symphonic cantata, Op. 44 (1921年)
二部構成のカンタータです。textは国や自然、そしてそこからの様々な歌(The Song)を聞くと言った内容です。
激しい歌唱、荒波の様なオケ、厚い合唱団の歌声、濃厚な30'が楽しめます。楽風は複雑化していて対位法からポリフォニーの様な折り重なる流れが主流となっていますね。他のステンハンマルの曲とは一味違う劇的な厚みが素晴らしい一曲ですね。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  ブロムシュテットの指揮、スウェーデン放送響の演奏です。
  ヤルヴィの重厚さに対して、こちらは先鋭さですね。




やっぱり晩年最後の二曲が素晴らしく、20世紀前半のスカンジナビア音楽家独特の澄んだ空気感と、複雑で厚みあるカンタータのコントラストを聴かせてくれます。

"組曲"で感じる北欧の澄んだ空気は、音の跳躍が無く ターン音階の様な旋律構成がその要因の一つでしょう。一方コンプレックスな"カンタータ"では父ヤルヴィらしい出し入れが味わえますね。そんなステンハンマルを楽しめる好アルバム、オススメです。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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