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【追悼】2019-10/22に亡くなられたマエストロ, ハンス・ツェンダー(Hans Zender)を偲んで代表作の『無字の経・他』


ハンス・ツェンダー
(Hans Zender, 1936/11/22 - 2019/10/22)
先週亡くなられた(享年82歳)ドイツ人指揮者・現代音楽家のH.ツェンダー。現代音楽を得意とする指揮者のイメージが大きく、作曲家としての印象は薄めですね。個人的には好きなB.A.ツィンマーマンの作品を振るのでお馴染みですが、マーラーをあまり聴いていないかもしれません。

作品としてはつい先日、ツェンダーによるトランスクリプション版のシューベルト「冬の旅」をインプレしたばかりでした。

R.I.P. Hans Zender


Music to Hear・Litanei・Muji No Kyo・Furin No Kyo
声楽を含む室内楽ですね。シェークスピアや日本のお経と言ったTextをモチーフとしています。
指揮はもちろんご本人ツェンダー、室内楽はクラングフォルム・ウィーンです。






Music to Hear (1998)
超静音から緩いクレシェンドで入って来るフルートx2、もちろん無調で明瞭な旋律はなく、そこにシェイクスピアのTextをシュプレッヒゲザングで入れてきます。刺激と切れ味の欧エクスペリメンタリズム前衛です。シェーンベルクの "月に憑かれたピエロ" を連想しますね。


Litanei (1976)
チェロの三重奏曲です。ピッチカートとボウイングでノイズ系の音色を醸します。暗く澱んだ気配を中心に、静音の空間を意識させますね。空間音響と言ってもいいかもしれませんね。
技巧的には反復や調性旋律、ホモフォニーと言った反セリエルの多様性も織り込まれています。


Muji No Kyo, 無字の経 (1975)
日本語のお経?をシュプレッヒゲザングにしているのですが、室内楽も処々で邦楽和声を使っています。お喋りな旋律や静的な演奏も有って表情豊かですね。後半に現れる短い即興風混沌も上手い処理です。邦楽和声を使った現代音楽はよくありますが、上手く消化していてとても面白いですね。
前曲と同じく'70年代中盤の"前衛の停滞"期作品ですが、はるかに個性的です。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?


Furin No Kyo, 風輪の経 (1988/89)
シュプレッヒゲザングが女性になりますが、"無字の経"と似た楽曲です。室内楽をより研ぎ澄まして先鋭化していますね。強弱のコントラスト付けが明確になった分、どこかで聴いた様な感じを受けるかもしれません。邦楽和声度が下がっているからかもしれませんね。



ダルムシュタットやドナウエッシンゲンで聴き馴染みの欧州実験前衛現代音楽です。特異性はありませんが、ノイズ系がツェンダーらしさを感じさせてくれます。"無字の経" の秀逸さが光りますね。

音数が多い即興的混沌ではなく静音空間的で、20世紀後半の前衛の衰退から現在に至る欧州エクスペリメンタリズムの味わいがあるアルバムだと思います。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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