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個性を感じた二つの演奏:2019年9月4日 大野和士/都響『ベルク:ある天使の思い出に | ブルックナー:交響曲第9番』at サントリーホール


"若杉弘没後10年記念"として行われる都響定期885回。もう10年になるんですねぇ…
なんと約1ヶ月ぶりのコンサート、サントリーホールへ行ってきました。何故か足が徐々に遠のきます…

20190904suntoryhall.jpg


今回はコンサート定番二曲。外れの少ないセットだと思いますが、皆さん好みを持っていらっしゃる両曲でしょう。

ちなみに "ベルク:ある天使の思い出に" はクレーメルとツェトマイアーの聴き比べファウスト他5CD聴き比べも過去にインプレしています。(今回はツェトマイアーを聴いて来ました)





ヴァイオリン協奏曲《ある天使の思い出に》
アルバン・ベルク (Alban Berg, 1885-1935)

大野/都響は第一楽章を調性感のある明瞭な流れにして来ました。本当は深淵であって欲しかったですが。第二楽章I.Allegroでガツっとメリハリを付けるかと思いきや、そこそこに納めた感じでしたね。

問題はヴェロニカ・エーベルレ(Veronika Eberle)のvnが好みでない事でしたねェ。暖色系で明瞭な鳴りの第一楽章、この時点で好みとは違うのはわかりました。第二楽章I.Allegroはグリグリのテク見せつけて "大向こうを唸らせ" ました。この曲で?!
個人的には無調ベースの幽玄さ優しさが "ある天使=マノン" ですが、逆の暑苦しい感じで残念でした。




交響曲 第九番 ニ短調 WAB109(ノヴァーク版)
アントン・ブルックナー (Anton Bruckner, 1824-1896)

■ 第一楽章
第一主題の動機群は速めの緊迫感を作って第七動機の山場を迎えます。第二主題は優しく美しく心穏やか、とは行かず続く第三主題にかけて予想以上に濃厚な流れを作りましたね。落ち着きはありませんが個性的です。
展開部の第一主題変奏は第七動機が一層激しさを増していました。
再現部の第二・三主題も速く濃い流れを維持して、コーダはラスト炸裂でした。
■ 第二楽章
ここでも主要主題は速め、そこから強烈なトゥッティの動機で爆裂です。続くobからの動機も濃く、トリオも一般的な軽快とは言い難い濃厚さでしたね。"全体が速め音圧高め" の一二楽章は個性的でした。
■ 第三楽章
残念だったのはこの楽章でした。テンポも普通になってメリハリに欠けた感じです。特に第一主題入りのトリスタン和声はやや暑苦しく残念でした。「生への決別」は激しさ炸裂で良かったのですが、それでなくても構成の分かりづらい楽章がフラットに長く感じましたね。コーダは落ち着かせたのですが、ラストはやや尻切れトンボ風に感じました。
第三楽章は別として、第一第二楽章は速くて炸裂感の高い、一癖ある面白い流れでしたね。




前半の協奏曲は好みのパターンではなかったと言う事で...

ブルックナーは、ヴァントのスロー低重心と全く方向性の異なる、速めで腰の高い荒波の様で面白かったですね。全体完成度を上げて第三楽章もその流れに合っていたら興味深いブルックナー9だったのではないでしょうか。

大野さんの完成形を聴いてみたいですね。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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