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素晴らしい2枚の『ブルックナー 交響曲 第九番』:アンドリス・ネルソンス(2018年) と ミヒャエル・ギーレン(2013年)


ブルックナー 交響曲 第9番
来週9月4日の都響定期#885「ブルックナー9番」を前に所有未インプレの盤2枚、A.ネルソンスと今年3月亡くなったM.ギーレンで予習をしておきましょう。

個人的なブルックナー9の流れ確認w (レーヴェ版以外)
第一楽章:提示部(三主題)に対して、展開部(第一主題)+再現部(第二第三主題)の構築といった流れで、第一主題第七動機がポイントなのはもちろんです。
第二楽章:特徴的な重厚さの主要主題を目立たせて、中間部を走らせる事ですね。ここでも細かく組合される動機が気になります。
第三楽章:構成が判りづらく、提示部 - (G.P.) - その変奏部 - (G.P.) - コーダとして聴いています。「生との訣別」での対比は必須で、ラストの尻切れとんぼ感は避けて欲しいです。


さて二人のタクトはどうでしょう。そして大野和士さんが振る都響は?!





アンドリス・ネルソンス
(Andris Nelsons)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
2018/12



第一楽章
第一主題導入部の動機からスローで緩いディナーミクで緊張感を与えて、第七動機で激しい山場を迎えます。第二主題は優しく美しく心穏やかです。その流れに乗って第三主題のobが現れ、上げていきながら山場を作ります。王道の提示部ですね。
展開部の主題変奏もクセはなく表情付けがされ、第七動機は激しいですね。再現部は第二・三主題を哀愁と優しさのコントラストを変奏し山場へ、コーダはラストの見事さです。


第二楽章
弾ける様な第一動機から一気に激しい第二動機へ。基本は刺激的でコントラストが見事ですね。トリオは軽く弾みながら走り、主要主題との対比が上手いです。ここでも王道的で締まりの良い流れです。


第三楽章
提示部第一主題の入りは大きく、「生との訣別」では見事な山場を作り上げます。これぞブル9のイメージでしょうか。第二主題は穏やかな陰に落としながら表情ある緩徐を作り、コントラストが良いですね。ゲネラルパウゼの後の変奏部はトリスタンを大きく再現して、その後も彫りの深い流れですね。各動機の回帰もクセは見せません。コーダは緊張感ある静を作って、最後は穏やかに終息します。



締まりの良い王道のブルックナー9ですね。メリハリも良く、クセはなく、誰でも安心・満足感のある一枚になっているでしょう。

ヴァントの様な始終低重心ではありませんが、この曲に欠かせない緊張と重厚を持っていますね。






ミヒャエル・ギーレン
(Michael Gielen)
バーデンバーデン・フライブルク南西ドイツ放送交響楽団
2013/12/20



第一楽章
第一主題群はテンポをやや遅めにとって緊張感を高め、第七動機を炸裂させます。計算通りと言ったアゴーギクです。第二主題は美しい動機に揺さぶる様な間をもたせます。スローベースのこの辺りはギーレンらしさでしょうか。第三主題のobはスローに入り、山場を作ります。展開部は第一主題の変奏を色濃く力感で奏でますね。再現部も主題を微妙な揺さぶりをかけ変奏しながら、山場へと向かいます。コーダは第一主題の動機を緊迫感で組合せ盛上げます。
ギーレンらしいタメ(アゴーギク)を効かせた第一楽章でしょうね。


第二楽章
主要主題の強烈な動機は重厚パワープレイです。若干スローで重戦車風、続くobの動機も優美ですが緊迫感が勝っています。トリオは約束通りに軽快ですが、ここも緊張感を湛えて来ます。軸足は重厚・緊迫感に感じます。


第三楽章
冒頭のトリスタン和声は重厚に、続く「生への決別」は派手派手しく広げて見事な対比を作ります。第二主題はスロー緩やかに鎮めて影のある緩徐パートを作ります。ゲネラルパウゼの後の変奏部はスロー基調に各主題を重厚に並べ、緊迫感漲り見事です。再びゲネラルパウゼ後のコーダはスローに間をとって、ゆっくりと鎮めて納めます。上手い構成ですね。



ギーレンらしい微妙なアゴーギクで、重厚で緊迫感のあるブルックナー9になっていますね。ややスローの設定もぴったりと来ています。隙のないギーレン、聴き応え十分のオススメです

引退一年前の演奏ですね。ちなみに同年のマーラー6は世界最遅演奏でしたが、ここではそこまで極端ではありません。





王道のネルソンス、個性際立つギーレン、どちらもオススメのブルックナー9が楽しめます。

大野和士さんは、きっとメリハリと迫力の演奏になるでしょう…と 勝手に推測しますが。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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