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ミヒャエル・ギーレン追悼アルバム『In memoriam』マーラー 交響曲 第6番 1971年・2013年 2録音。演奏時間も印象も大きな違いを感じますね


In memoriam Michael Gielen
本年3月に亡くなった人気指揮者ギーレン(Michael Gielen, 1927/7/20 - 2019/3/8)。今回追悼アルバム "In memoriam" が発売され、1971年と2013年のマーラー6番が収録されましたね。ギーレンの既発の2CD(1984年・1999年)より前と後、2013年は引退一年前の録音です。

オケは名称が変わりましたが、両方とも同じ南西ドイツ放送交響楽団(現:バーデン=バーデン・フライブルクSWR交響楽団)です。ギーレンが首席指揮者(1986-1999)を務めたオケですが、両録音ともその時代ではありませんね。

特徴的なのは二つ。
 1) 後年の方が演奏時間が長大になっています
 2) 2013年録音は第二楽章アンダンテに変更しています
実は他2録音も含めて年代を追うごとに演奏時間は長くなり、第二楽章は最後(2013年)にアンダンテに変更しています。4録音全体のインプレは以下にアップしています。

▶️ マーラー交響曲第6番:70CD 聴き比べ






マーラー 交響曲 第6番


 



1971 3/12-14 at Hans-Rosbaud-Studio, Baden-Baden

第一楽章
速め切れ味の第一主題は緊迫感漲りますね。パッセージも速めでアルマの主題もアゴーギクはありますが速いです。展開部は第一主題は強烈に、挿入部ではスローで長閑さを付けて コントラストを上手く見せています。再現部の第一主題は一層の迫力快走で走り抜け第二主題は緩やかに、コーダはディナーミクによるメリハリを付けて〆ます。

第二楽章
スケルツォです。主要主題は第一楽章同様締まりが強く、延長線上イメージです。もちろん速さの流れで、トリオでアゴーギクを効かせたスローでコントラストを付けるギーレンらしい構成ですね。最後の主題回帰は狂気を感じる様な切れ味です。

第三楽章
主要主題は穏やかに流れよく、副主題(第一トリオ)は少しスロー化して哀愁を見せますね。中間部(第二トリオ)は広がりを大きく鳴らし平穏な印象を着けてきますね。全体としてギーレンとしては揺さぶりのない淡白な緩徐楽章になっています。ラスト前の山場は強烈に盛上げますが。

第四楽章
渦巻く長い序奏は明瞭さを感じます。提示部第一主題は切れ味良い流れを上手く作ります。テンポ設定はやや速いですが標準的ですね。パッセージも切れ味の良さで、第二主題を軽快に作ります。締まり良い提示部です。展開部はディナーミクを効かせて派手気味にメリハリを作ります。この辺りは作り込まれたスタジオ録音を感じますね。アゴーギクも振った速い再現部も同様で見事に "聴かせる" 構成を感じます。その見事さに少々腰が引けますがw


快速切れ味のマーラー6ですね。緩徐パートのアゴーギク&スロー対比、ビシッと締まりのある流れ、ギーレンらしい印象の演奏かもしれませんね。アンダンテは山場以外今ひとつの感ですが。

スタジオ録音で作り込まれていて、デジタル・マスタリングで音も悪くありませんね。この年代のマーラーとして完成度は高いのではないでしょうか。





2013 8/21 at Großes Festspielhaus, Salzburg [LIVE]

第一楽章
第一主題行進曲はグッとスローになりますがメリハリは良く付いて、パッセージは落ち着きを払っています。アルマの主題はスローの中にも緩やかながらアゴーギクを効かせます。提示部は"繰り返し"の方が気持ち速めに感じますね。展開部の挿入部は元々スローなので流石に極端には落としていませんが、その中に各楽器の音色を生かしているので空間を感じる流れです。再現部も鳴りの良さが朗々としていますね。

第二楽章
アンダンテですね。主要主題は緩やかに、副主題(第一トリオ)は哀愁感を強く感じます。中間部(第二トリオ)では伸びやかな広がりがあります。スローが生きた大きく美しい緩徐楽章になっていますね。

第三楽章
主要主題は大きなスローですが締まり良く、第一楽章の印象を残していますね。トリオはスロー穏やかに、落差はあまり付けませんが回帰するとアゴーギクを振って来ます。ギーレンらしさを感じる少ないパートかもしれません。

第四楽章
序奏は大きなスローベースの陰影付けです。提示部第一主題はスローで大きい流れを作り、パッセージも広がり良く、第二主題をその中に置く感じです。展開部も大きくスローで、このパートにありがちなせっかちな緊迫感・迫力と言った流れよりも、"大きな見晴らし"の様な印象を受けますね。行進曲もスロー低重心で悠然とした新しい世界です。再現部はやや旧来的な流れを取り戻してパワープレイ的な要素も見られます。コーダは大きなスローからの一撃で、ラストのピチカートも生きました。
オーディエンスは大ブラボー・大喝采です!!


大きなスローで通した、ゆったり泰然自若のマーラー6ですね。もちろん各パートには締まりもコントラストもありますが、細かな表情よりも広大・雄大な音の広がりを強く感じます。

これは今までに聴いた経験のない新しいマーラー6を感じます。




緊迫と切れ味の1971年から、大きく広がりの2013年へ。ギーレンの42年の変移は印象的ですね。大きく性格の異なるマーラー6で、個人的には構えの大きな2013に一票です

年代も大きく違う二つの録音ですが、マスタリングで音の違和感を上手く消していますね。





テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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