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ルイジ・ノーノ(Luigi Nono) の後期作品『冷たい怪物に気をつけろ / 死の間近な時 ポーランド日記第2番』は洗練された退屈さ?!


ルイジ・ノーノ
(Luigi Nono, 1924-1990)
現代音楽黎明期のビッグネームの一人で、ブーレーズやシュトックハウゼンと共にセリエル時代のエクスペリメンタリズム欧前衛音楽界を牽引しましたね。前回『セリー主義 〜 ブーレーズ / ノーノ / シュトックハウゼン 作品集』を紹介した際に後期作をもう一度聴いてみようと思い、今更の登場です。
楽風は、[前期]セリエル時代 - [中期]イタリア共産主義とテープの時代 - [後期]静寂とライヴ・エレクトロニクス時代、と言った流れですね。


Guai ai gelidi mostri | Quando stanno morendo. Diario polacco n. 2
微弱音の中にクラスターの出現、そしてライヴ・エレクトロニクスの採用という楽風になった後期の声楽作品になります。CD2枚組で二曲構成の作品ですね。二曲共にイタリアの哲学者マッシモ・カッチャーリ(Massimo Cacciari, 1944/6/5)のテキストを元に作詞されています。カッチャーリとはオペラも共作していますね。






冷たい怪物に気をつけろ, Guai ai gelidi mostri (1983年)
4パートの楽曲で、アルト2人に室内楽です。ライヴ・エレクトロニクスはヴォーカルパートと他にfeedback loopを使っているそうです。歌詞はイタリア語やラテン語、ドイツ語が交錯する中に"A dryness calling for Death" "discontinuous gods" の英語が見つかるだけですが、細々とした不安の事の様ですね。

例によって音が出ているのかわからない程の微音から入ります。アンサンブルは静音で綴られて、スローでノイズ的で即興風です。voiceが入ってきますがヴォーカリーズで楽器の一部の様な感じです。そして突然の木管の強音が登場してきます。まぁ、予想通りの構成ですね。そこからはボリュームが若干上がり突発性強音、歌唱が入ります。歌唱はロングトーンで読経みたいw 全体が暗い闇の揺動の様で突然大波が来ます、ドローンに強音即興を噛ませた感じ?!

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  コンサートで演奏の様子が見えた方が楽しめるかもしれませんw


死の間近な時 ポーランド日記第2番
  Quando stanno morendo. Diario polacco n. 2 (1982年)
9パートの楽曲で、ソプラノ3人とアルト1人にバス・フルートとチェロです。ライヴ・エレクトロニクスがどう使われているかは不明です。歌詞は抽象的で 神を待つ話の様ですね。ちなみに同タイトル原曲「ポーランド日記 (1958年)」は中期作品で政治的色合いが強いです。ここでも歌詞の中に潜む政治的背景があるのですが、それは避ける事にします。("Mosca - chi sei?"がヒントですね)

CDを換えても同じ曲の延長の感じですが、始めから聖歌の様な薄いヴォーカルがアカペラで入ってきます。そのまま長く続き、Part II 以降はノイズ的なアンサンブルが被ってきて混沌とします。この曲の方が歌唱中心で、演奏の強音の呻きが強いです。とは言え、ここでも構成は同じですね。



この年代のノーノらしい澱んで呻く様な静音の中に時折立ち昇る強音、それが時に歌唱となっています。いつも同じと言えばそうなのですが、それがノーノの後期でしょうね。

スコアを見ると凝った記譜になっていますが、曲にはその印象が残らない感じもしますね。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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