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古き時代の現代音楽を懐古する、ギリシャの現代音楽家 ニコス・スカルコッタス の『Cycle-Concert』


ニコス・スカルコッタス
(Nikos Skalkottas, 1904/3/21 - 1949/9/19)
45歳で早世したギリシャ人現代音楽家スカルコッタスは、26年間の作曲活動で作品を残していますね。亡くなった年代が欧州前衛がエクスペリメンタル全盛に向かうセリエルの時代ですから、シェーンベルクに習って十二音技法からスタートしています。作品数が増える30年代後半から晩年は民族音楽を取り入れてスカルコッタスらしさが味わえる様になりますね。近年はBISレーベルからCD化されていて、本ブログでもインプレ済みですね。


Cycle-Concert
このアルバムはその時代の作品で得意とした室内楽集です。以前PhillipsからDigital Classicsのシリーズとして出ていた、25年近く古い懐かしいアルバムです。
メンバーが豪華ですね。
・ブルーノ・カニーノ(Bruno Canino):ピアノ
・クラウス・トゥーネマン(Klaus Thunemann):バスーン
・ホーカン・ハーデンベルガー(Håkan Hardenberger):トランペット
・ハインツ・ホリガー(Heinz Holliger):オーボエ
いずれ名だたる名手で現代音楽の信奉者ですね。(残念ながらトゥーネマンだけは知見がありません)






Quartet No.1 for Piano and Winds (1940–43年)
ピアノと吹奏楽(オーボエ, トランペット, バスーン)の四重奏曲ですね。音列配置を思わせる様なパンクチャリズム風ですが、民族音楽和声旋律が存在していますね。四つの楽器が弾む様なリズムと旋律を絡ませるホモフォニー構成です。リズミカルな民族音楽と言ったスカルコッタス楽風ですね。


Concertino for Oboe and Piano (1939年)
上記と同じ様なリズムで入るのですが、民族和声は薄くなり音の跳躍も存在します。そういう意味ではセリエルにより近いでしょう。でも中間パートで緩徐となって音は跳躍からターン音型の様な近隣音を並べ、pfとobは対位的な関係になっていますね。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  スコア付きです。


Sonata Concrtante for Bassoon and Piano (1943年)
pfに和音が現れて点描印象がやや薄くなっています。それでもロングトーン旋律は皆無でアルペジオ旋律主役です。fgとpfは民族和声的旋律中心にホモフォニー(主従関係)とポリフォニー(対位)の混成的です。ここでも中間パートでは緩徐にしています。少し退屈かな?! これなら上記オーボエの方が音色の延びもあって面白い気がしますね。


Concertino for Trumpent and Piano (1940–43年)
曲構成は他の曲と似ていて、長いpfパートが点描的に続きます。tpがそれまでの木管から金管の響きになって変化を与えていますね。そんな感じですw


Quartet No.2 for Piano and Winds (1940–43年)
一曲目に続き四重奏曲第2番になり、"Tango"と"Foxtrot"といかにも的なパート・タイトルが付いています。何気にその気配は感じますが屋台骨は何も変わりません。それこそがスカルコッタスですね。



ポスト・セリエルと言えるかは別として、点描音列配置的な印象は明確です。そこに民族和声を取り込んだのがスカルコッタスですから、まさにスカルコッタス作品集でしょうね。似たり寄ったり感を含めてセリエルの行き詰まりもあるかもしれません。

1940年代という古き前衛現代音楽を懐古的に楽しむのも一興かと。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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