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今の時代のクラシック音楽、ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ の『管弦楽集:Heliogabalus Imperator』の楽しさは、国内のコンサートで取り上げられても良いですね。


ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ
(Hans Werner Henze, 1926/7/1 - 2012/10/27)
既に現代音楽の古典となりつつある感もあるドイツの音楽家ヘンツェですね。まさに前衛現代音楽の時代に生き、ノーノ, シュトックハウゼン, ブーレーズといった前衛陣の闊歩する背景と重なりますが、その実験的前衛とは一線を画していました。
初期は政治的志向や十二音技法も取り入れますが、早くから今の時代の現代音楽の主流である多様性に舵を切っていました。そこは先見の明があったのかもしれませんね。(実際には中庸性になるでしょうが…) 現代音楽オペラを得意として、もちろんこのブログでも「バッカスの巫女」他インプレ済みです。


heliogabalus imperator, works for orchestra
交響曲か歌劇といった印象が強いヘンツェですが、ここでは管弦楽集となっています。オケ作品が多いヘンツェなので、1963年から2012年の作品が年代順に並んでいるのも変化が感じられて嬉しいところです。

演奏はオリヴァー・ナッセン(Oliver Knussen)指揮、BBC交響楽団(BBC Symphony Orchestra)になります。






Los Caprichos, Fantasia per orchestra (1963年)
全9パートの楽曲です。時代背景は前衛実験音楽最盛期ですが、既にヘンツェらしさが確立されています。印象はバレエ曲的に感じます。美しい幻想的な旋律が舞台情景を感じさせ、パートの中で強音を生かす様な変化を与えています。構成感が明確なので安心して聴ける幽玄な楽曲と思います。


Heliogabalus Imperator, Allegoria per musica (1971/72, rev. 1986年)
タイトル曲「ヘリオガバルス黄帝」で木管楽器群との協奏曲風でしょうか。木管楽器群が表面に出て来ますね。メシアンを彷彿させる処もありますね。それに合わせて金管楽器群もソロパートを奏します。おしゃべりなポリフォニーとホモフォニーの組み合わせの様な楽曲です。ヘンツェですから旋律が存在するので無調の混沌さはあっても楽しい流れです。そしてもう一つはヘンツェらしい幽玄な透明感ある弦楽です。この組み合わせを基本に構成される大編成管弦楽曲ですが、それを誇示する様な爆音パートは後半に置かれています。
今の時代のクラシック音楽としてコンサートでの演奏機会があっても不思議ではありませんね。

 ★ 試しにYouTubeで聴いてみる?


Englische Liebeslieder – Canzoni d’amore inglese
  für Violoncello und Orchester (1984/85年)
全6パートのチェロ協奏曲「イギリスの愛の歌」です。前曲のエンディングと似た入りですね。そこに無調不協和音旋律のチェロが絡んできます。静的に澱んだ流れはポリフォニー・対位的で、無調感が強くなっている気がします。パートに強音を挟んでいるので強弱のコントラストはありますね。チェロは時に技巧的に、時に繊細に奏でられます。
23'弱の楽曲で、これまたコンサート前半に置いても良い様な感じですね。


Ouverture zu einem Theater, für Orchester (2012年)
4'半の短い管弦楽曲で、米管弦楽現代音楽風ですね。ドンシャン的で鳴りの良い音と旋律を組み合わせています。もちろんヘンツェらしい幽玄さを残しながらです。



現代のクラシック音楽ですね。無調を生かした幽玄さのヘンツェの楽風が時代と共に、より自由度を増している感じが伝わりますね。

現代音楽と言っても欧州エクスペリメンタリズム(実験音楽)系ではないので、国内でももっと演奏機会が多くても良いと思います。



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