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キラキラとしたジェフリー・ブルック(Jeffrey Brooks)のポップ系米現代音楽:Bang on a Can All-Stars の『THE PASSION』


ジェフリー・ブルックス
(Jeffrey Brooks, 1956 - )
ミネアポリス在住の米ポップ系現代音楽家です。主たる提供先が本アルバムのBang on a Can(以下BOAC)ですね。ミネソタ大とエール大で学んだ後にルイ・アンドーリーセンにも師事しています。1980年代にタングルウッドでBOACのメンバーであるマイケル・ゴードンとデイヴィッド・ラングに出会ったのが一つの転機の様です。


THE PASSION
Bang on a Can All-Stars /w. Contemporaneous
本ブログ大推奨の米現代音楽の雄BOACのニューアルバムで、J.ブルックスのアンサンブル三部作になりますね。米現代音楽組織Bang on a Can及びそのバンドのAll-Starsについては何回も紹介済みですので割愛です。
本アルバムのメンバーはBOAC All-Starsを中心にして11人から大編成まで、Contemporaneousからメンバー補填しています。(楽曲別メンバーがありますが、ここでは記しません)

尚、BOAC All-Starsの現在のメンバーは以下の通りです。
 ・Robert Black (Bass)
 ・Taylor Levine (Guitar)
 ・David Cossin (Percussion)
 ・Vicky Chow (Piano and Keyboard)
 ・Ashley Bathgate (Cello)
 ・Ken Thomson (Saxophone)






After the Treewatcher (2013年)
'80年代のマイケル・ゴードンの"The Treewatcher"にインスパイアされて、2013年のBOACのSummer Festivalで初演されているそうです。ラストにデイヴィッド・ラングによるホテルのベル連打も再現されているとの事。
 キラキラとした金属打楽器の音色が特徴的なミニマルですね。速いリズム設定で11編成のポリフォニカルにも感じられます。一種の陶酔的な流れはまさにミニマル本流かと。ヴィッキー・チョウのpfがフィーチャーされてピアノ協奏曲的な構成でもあります。


Capriccio on the Departure of a Beloved Brother (After BWV 992) (2015年)
友人の英音楽家スティーブ・マートランドの死で、バッハの「カプリッチョ:最愛の兄の旅立ちに寄せて」を元にマートランドの好きだったロックやクラブ音楽を入れているそうです。
 レコードによるバッハの同曲再現から入ります。ドラムの音色が強く響き、E-ギターとE-ベースが強烈な反復を奏でます。この時点でクラブ系の印象が強いでしょうね。管楽器と弦楽器は副次的な印象になります。いかにも米ポップ系現代音楽らしいこの展開は面白いですね。バッハとの接点は、主反復動機(バッハから引用?!)をチェンバロでも追っている事でしょうか。三部形式の中間部(トリオ)の様なパートも緩徐的に入ります。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?


The Passion (2017年)
"passion"はキリスト教の受難を意味していますが(クラシック系音楽では殆どの場合そうです)、ここでは人々の苦難を表すそうです。Voiceが入り、ロサンジェルスのジャーナリストJefferson Reidと、妹(姉?)のClaudia Brooks Lindberg(子供の末期の病に向き合った)のTextが使われています。
 動機の変奏をベースにして流れを作っています。ホモフォニー的な構成感で、単純なっミニマルではありません。そういう意味ではポスト・ミニマルになるのかもしれませんが。40年前ならフュージョン系のジャズと言った風合いにも感じますね。中盤(ここでも中間部?!)で擦った様な特殊奏法とスロー幻想的流れになるとvoiceが入ります。voiceは三人(英語とそれ以外)が重なる様な語りで、ディストーションされています。LindbergのTextでは再びリズミカルなサウンドに回帰し、voiceも調性のハーモニーなヴォーカルになります。面白い切り替えが生きています。



いかにも米ポップ系現代音楽らしいミニマルベースのアンサンブルですね。カラフルで歯切れの良さがあって気持ちよく、エレキギターやエレキベースといった楽器編成が生きて楽しいです。

J.ブルックスの楽曲とBOACの演奏のマッチングが素晴らしいです。ぜひ一度聴いてもらいたいですね。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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