素晴らしい名演『マーラー 交響曲 第5番』«ネット配信» スザンナ・マルッキ/ロサンジェルス・フィル 2019年4月14日
スザンナ・マルッキ Susanna Mälkki
(ロサンジェルス・フィルハーモニック, Los Angeles Philharmonic)
(ロサンジェルス・フィルハーモニック, Los Angeles Philharmonic)
現代音楽を得意としてアンサンブル・アンテルコンタンポランの首席指揮者も務めたフィンランド人女性指揮者のS.マルッキですね。現在首席客演指揮者を務めるロサンジェルス・フィルとのマーラー5番、UCLAの 'Classical KUSC' ウェブサイトからの配信です。
▶️ こちら (放送の中で公開は一週間との事!!)
▶️ こちら (放送の中で公開は一週間との事!!)
(2019-4/14 at Walt Disney Concert Hall)

■ 第一部
ファンファーレは華麗に、葬送行進曲は鎮めてはいますがスロー基調の透明感があり美しさを感じますね。第一トリオは明確にテンポを上げて激しさも色添え、コントラストが際立ちます。回帰の主題は揺さぶりをかけて表情を変え、第二トリオは細く哀愁から明るさを奏します。第二楽章第一主題は第一楽章第一トリオの流れで速く切れ味鋭い流れを作ります。第二主題ではチェロが第一楽章第二トリオを優しく美しく奏でて、見事なコントラストを作り出していますね。展開部も主題をコントラスト良く変奏して、特にチェロの動機は美しく、再現部では山場からラストをハイテンポを入れたアゴーギクで作っていますね。見晴らしの良さと心地よさの素晴らしい第一部になりました。
■ 第二部
スケルツォ主題はゆっくり目で優美、レントラー主題はさらに緩めとなってスローのアゴーギクで甘美です。両主題変奏後の第三主題はテンポを落としてオブリガートhrが表情豊かに見せ場を作っていますね。再現部では三つの主題の変奏がアゴーギクで組み合わされて大きな流れを作り、コーダは速い流れで華やかに締め括ります。お見事!
■ 第三部
第四楽章は暖色系の音色で緩いアゴーギクの情感を加えています。中間部もかなりアゴーギク・ディナーミク強めで全体には甘美というよりも濃い味付けの個性的アダージェットですね。第五楽章は第一・第二主題が切れ味良いリズムで絡んで登り、提示部コデッタは軽妙からシャープに。コーダはアゴーギクを振って広がりと激しさの流れからラストはアッチェレランドをビシッと決めます! 感動的ですね!
明確なテンポ設定のコントラストと見晴らしの良さのマーラー5です。オケの鳴りの良さもあって、スローでは美しささえ感じますね。テンポ設定の落差はかなり大きいのですが、ギクシャクとせずに見事な流れです。アダージェットでさえ只の甘美ではありません。これがCDなら絶対に☆印ですね!!
マルッキのファンとしては映像付きの配信で欲しかったですね。それにしてもマルッキも50歳になったんですねぇ、年が過ぎるのは早いと実感しますw
マルッキのファンとしては映像付きの配信で欲しかったですね。それにしてもマルッキも50歳になったんですねぇ、年が過ぎるのは早いと実感しますw
残念ながらCDではないので「マーラー第5番聴き比べ:175CD」にはアップしません。
一曲目のスティーヴ・ライヒの"Music for Ensemble and Orchestra"の世界初演もライヒらしいハイテンポの中に澄んだクールな気配を漂わせていい感じでしたね。