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ザルツブルク音楽祭2018 ロッシーニ 歌劇「アルジェのイタリア女」をNHKプレミアムシアターで観る


昨年のザルツブルク音楽祭(Salzburger Festspiele)からロッシーニのオペラ「アルジェのイタリア女」(全2幕) ですね。

SalzburgerFestspiele2018LItalianaInAlgeri.jpg
(写真はネットからお借りしました)

演出がどうのよりも作品が楽しいので、コメディ・タッチと曲(歌唱)が楽しめればいいですね。(展開の割に少々長い感じがするのは変わらないでしょう)


演出
二人の演出家に知見がありませんが、イタリアン・オペラのコメディを王道的に表現して楽しませてくれました。もちろん前衛性は皆無です
長いプロローグを生かしたり、妙なバックヴィジョンを使ったりとしていますが、全体としてはシンプルさが良かったのではないでしょうか。

舞台・衣装
衣装は現代、サッカー選手の衣装も出てきますが、コメディが生きる様な設定だっと思います。
舞台は室内・室外設定ですが、基本はフラットな設置で背面的でした。

配役
まずはロッシーニらしい重唱やアリアが洒脱に歌われて、突出したソロは無いものの全員が楽しませてくれましたね。
タイトルロールのイザベッラ役バルトリはこの役ならではのコロラトゥーラを歌いこなし、強気なイタリア女性役ぴったりでした。
エルヴィーラ役のオルヴェラも、mezでしょうが、sopの様な素晴らしい伸びでしたね。表情も豊かでした。
男性陣ではアルジェリア大公ムスタファのアブドラザコフが演技・表情で楽しませてくれました。歌唱はまぁまぁでしょうか。何か巻いていましたが、凄いお腹で笑えましたねw
リンドーロのロチャのテノールはレッジェーロかリリコで風貌とは少し違和感を感じましたが、声量や伸びは聴かせてくれました。
海賊ハーリーのロサはラッパーの様な出で立ちで一味はストリート・ギャング風、控えめでしたね。

音楽
軽妙な音楽を生かした、という印象がありましたね。イタリア・オペラのコメディらしい洒脱さを、音楽を控えめながら上手く奏してくれました。


このコメディーをとてもシンプルに楽しませてくれました。カラフルな舞台設定や破茶滅茶シーンもそれらしく、演奏や歌唱もバランス良く作品自体の良さを生かしたといった感じですね。でも、やっぱり長かったですよねw

イタリアン・コメディを前衛で演出したら?! ちょっと興味あります。



<出 演>
イザベッラ (イタリア女, リンドーロの恋人):チェチーリア・バルトリ [Cecilia Bartoli]
ムスタファ (アルジェリア太守):イルダール・アブドラザコフ [Ildar Abdrazakov]
リンドーロ (ムスタファの奴隷でイザベッラの恋人):エドガルド・ロチャ [Edgardo Rocha]
タッデーオ (イザベッラに片思い):アレッサンドロ・コルベッリ [Alessandro Corbelli]
ハーリー (海賊の首領):ホセ・コカ・ロサ [José Coca Loza]
エルヴィーラ (ムスタファの妻):レベッカ・オルヴェラ [Rebeca Olvera]
ズールマ (エルヴィーラの奴隷):ローザ・ボヴ [Rosa Bove]

<合 唱> ウィーン・フィルハーモニア合唱団
<管弦楽> アンサンブル・マテウス [Ensemble Matheus]
<指 揮> ジャン・クリストフ・スピノジ [Jean-Christophe Spinosi]
<演 出> モーシュ・ライザー [Moshe Leiser]、パトリス・コーリエ [Patrice Caurier]


収録:2018年8月14・16・19日 モーツァルト劇場(オーストリア)


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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