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カティア・ブニアティシヴィリ の『シューベルト:ピアノ作品集』を聴く | "ピアノ・ソナタ第21番 D.960" は, マリア・ジョアン・ピリス, 内田光子 と合わせて


Schubert
Khatia Buniatishvili
2月の来日公演が中止になった、丁寧な断り文がありました、ブニアティシヴィリの新譜で 演奏予定だったピアノ・ソナタ#21がメインですね。若手人気女性ピアニストとしては、アリス=紗良・オットと並び 気になるCDリリースです。とは言え二人共30歳を越えたんですねぇ。(オットはMS:多発性硬化症を発症しているで7月の来日予定も気になります)
今やシューベルトは守備範囲外ですが、ブニアティシヴィリのタッチが生きそうですよね。(個人的には彼女のハードタッチな楽曲は…ですw)






ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D.960
第一楽章第一主題から第二主題、アゴーギクを使っていますがいずれも柔らかくエモーショナルな印象が強いですね。提示部後半から展開部での転調もpfタッチはソフトで、アゴーギクとディナーミクを振っていても優しさは崩れません。
第二楽章は超スローが特徴的です。包む様な優しさのタッチがいかにもブニアティシヴィリですね。
第三楽章は一気に快速テンポアップで内田さんに近い構成ですが、中間部も含めて軽快感を強く感じさせて前楽章とのコントラストを付けています。
第四楽章も処々でアゴーギクとディナーミクを強く振っていますが優しさを感じさせる流れですね。


マリア・ジョアン・ピリス (2011 rec.)
昨年引退を表明したピリスですが、全楽章を通して見晴らしの良い流れを作っています。特にスローな表現に傾倒する事もなくアゴーギクを控えてディナーミクの情感が強めですね。この3人の中では最も明瞭で古典的印象でしょう。

内田光子 (1997 rec.)
第一楽章第一主題から弱音で緩やかに、第二主題もその後の転調パートも抑えた音色で構成します。前半二楽章の静暗スローの流れを第三楽章スケルツォで一気に速い流れに切り替えて来ます。ただ表情的には薄めな印象をキープしていますね。アゴーギクを振っていますが静音重視でディナーミクでの感情は抑え気味、クールな演奏ですね。


4つの即興曲 Op.90 D.899
ディナーミクの振りが大きく感じますが 軸足は弱音のソフトタッチにあり、そこから聴こえるエモーショナルな流れは変わりません。即興曲でもD.899はD.935よりも各主題や動機の旋律が美しいので、特に第一・三曲はマッチしている感じですね。


セレナード S.560 リスト編
最もブニアティシヴィリらしさが光る緩徐曲です。これを最後に置いたのもこのアルバムの良さでしょうね。このタッチが好めなければブニアティシヴィリは合わないという事かもしれません。




ブニアティシヴィリのファンのためのシューベルトですね。良くも悪しくもピアノ・ソナタ第21番の第二楽章が極みでしょう。その優しさとエモーショナルさは際立ちます。この曲はピリスの明瞭さ、内田さんのクールさ、三者三様で楽しめます。

全体としては以前よりもディナーミクの振り幅が大きくなっている気がしますが、いかがでしょうか。

やっぱりブニアティシヴィリは「マザーランド」をベストとして優しさ・エモーショナルな響きが好きですね。その背景をNHK「マザーランド・ライブ / 森の中のピアノ・コンサート」で知ると更にその演奏の意図がわかる気がしましたね。





テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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