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2019年3月14日 カンブルラン/読響の シェーンベルク『グレの歌』at サントリーホール

いよいよシルヴァン・カンブルランの読売日本交響楽団"常任指揮者"最後の月になりました。ラストの3月24日まで毎週(計3回)カンブルランのコンサートに行く予定です。

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アルノルト・シェーンベルクの大曲歌曲『グレの歌』ですね。レコード時代から大好きな曲で、事前に13CDの聴き比べもして準備万端で楽しみにしていました。ぜひそちらもご笑覧下さい。

  ▶️ 『グレの歌 13CD聴き比べ:名盤・おすすめは





ヴァルデマル王 (ロバート・ディーン・スミス, Robert Dean Smith)
序奏下降音階からの"迫り来る黄昏"は愛を優しく歌い、"馬よ!" ではヘルデンテノールの伸びやかなハイトーンを見事に聴かせてくれました。第二部・三部の神に対峙する厳しさは怒りよりも堂々と、聴かせ処 "トーヴェの声で…" は感情が溢れましたね。ヴァルデマルに適役でした。

トーヴェ (レイチェル・ニコルズ, Rachel Nicholls)
"星は歓びの…" のワルツの様な美しさ、ヴァルデマルの "馬よ!" からの流れはこの曲最高の見せ場になりましたね。"あなたは私に愛の…" では優しさを伸びやかに歌って、トーヴェらしさが光りました

山鳩 (クラウディア・マーンケ, Claudia Mahnke)
トーヴェの死の悲しみと怒りを、残念ながら朗々と歌いました。できれば絞り出すような無念さが欲しかったです。

農夫 (ディートリヒ・ヘンシェル, Dietrich Henschel)
少々肩に力の入ったバス・バリトン、"Da fährt's…" は強音オケにかき消されましたね。後半のキリストへの祈りでも力みを感じて、少し好みとは違いましたね。

クラウス (ユルゲン・ザッヒャー, Jürgen Sacher)
適度な道化感で伸びやかに王の様子を語りましたね。テノールの活き活きとした表現がピッタリでした。

語り手 (→ "農夫"と二役)
シュプレッヒゲザング弱めで力み気味。でも中盤の"夏の夢"からは緩やかに、表情豊かにうたいました。

合唱団 (新国立劇場合唱団)
一眼見た時に少ない⁈って思った印象が尾を引いて、パワー不足を感じました。怒涛の声量が欲しかったのは欲が深すぎでしょうか。
(舞台背面のP席を埋め尽くす合唱団と勝手に想像していたので…)


演奏と流れ
第一部は序奏を暖色の優しさ、"馬よ!" で聴かせる激しさは色彩感強く見事に決まりました。不要な揺さぶりを排し、暖かい優しさとカラフルな強音でしたね。
第二部は入り混じる各テーマを表情を付け、山場 "ヴァルデマルの絶望" を力強く鳴らしました。
(ここで休憩でした。普通は第一部との間が多いのですが)
第三部は、もうちょっとパワープレイでも良かった様な。「夏風の荒々しき狩」序奏のまとまりが不足気味なのも気になりましたね。とは言え色彩感あるオケはカンブルランでした。



揺さぶりや強音勝負は無く、派手さは抑えたカンブルランのグレでしたね。とは言え第一部 "馬よ!" から "星は歓びの…" の素晴らしさは格別で、ヴァルデマル / トーヴェ / カンブルラン三者の真髄だったと思います。

歌手陣ではヴァルデマルのディーン・スミスが出色でした。トーヴェのニコルズ、クラウスのザッヒャーも素晴らしかったですね。

最後にオケが退席し照明が点灯してもかなりの人が残って拍手は鳴り止まず、カンブルランが現れてスタンディングオベーションになりました。



今年は『グレの歌』のコンサート当たり年ですね。この後4月に大野/都響、そして10月にノット/東響とメンツも揃いました。楽しみです。

ちなみに個人的最大の聴き処は第三部#4「トーヴェの声で森はささやき」ラスト、亡霊になってなおヴァルデマルがトーヴェを慕う "Tove, Tove, Waldemar sehnt sich nach dir! "です。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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