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マドリード・レアル劇場2017年 ブリテンの歌劇「ビリー・バッド」をNHKプレミアムシアターで観る

2017年のマドリード・レアル劇場公演(Teatro Real, スペイン)から、ベンジャミン・ブリテン(Benjamin Britten, 1913-1976)のオペラ「ビリー・バッド(Billy Budd)」(全2幕) ですね。


TeatroReal2017-Billy-Budd.jpg
(写真はオフィシャルサイトからお借りしました)


この作品を観るのは初めてです。ブリテンを得意とするイギリス女性演出家デボラ・ウォーナー、男性だけのオペラ、さてどうなるでしょうか。(演出でウォーナーというと、キース・ウォーナー[Keith Warner]が浮かんでしまいますね)

【超あらすじ】
英海軍船での話で、時代は18世紀末のフランス革命が起きた英仏戦争です。仏海軍との戦いで船員不足を補うために商船から3人を強制徴兵します。その内の一人ビリー・バッドは志ある美青年でしたが、緊張すると吃音*するクセがありました。先任衛兵長のクラガートはビリー・バッドを妬み、陥れる為に水兵暴動の首謀者だと艦長ヴィアに注進します。バッドを信じるヴィアは釈明を求めますが、興奮したバッドは吃音して説明が出来ずクラガートを殺害してしまいます。軍法会議で死刑判決が下り、バッドは運命を受け入れ処刑されます。最後に口にした言葉に、後年ヴィアは救済を得る事になります。

 *吃り(どもり)ですが、差別用語かもしれません。



演出
舞台を大きく一つにして無機的な印象つけるのはデボラ・ウォーナーらしい演出ですよね。ストーリー展開になるとメリハリが弱く、原作ストーリーを超えるモノを演出する事が出来なかった様に感じました。男性ばかりの戦艦の中という特殊な閉鎖空間での確執表現も薄く、残念ながらブリテンの曲調と合わせて魅力がわかりませんでした

舞台・衣装
舞台は船の上という設定で照明は暗め。衣装も軍服以外は、半裸の男の品評会の様で着衣は単純なアースカラーです。全体的に無彩色の舞台です。汗臭さは演出で伝わったかもしれませんw

配役
ストーリーと音楽、演出的見せ場が不明瞭なので、個々の配役の印象も薄いです。演技表現も抑え気味で、配役が誰であろうと難しかったのでは、という気がしました。
あえて言えば、クラガート役のブラインドリー・シェラットの憎々しさを抑えた表現がブリテンの曲調に合っていている感じでした。(それがコントラストの低いこのオペラを象徴していたかもしれませんが)

音楽
ブリテンの微妙な調性感とフラットな流れ そして舞台、演奏で助ける事は出来なかったですね。



男ばかりの配役、ブリテンの音楽、現代的シンプル舞台、表情の薄いデボラ・ウォーナー演出、全ての方向がフラットなネガティブ印象でした。もっと極端にドロドロか、前衛演出の方が面白かったかもしれませんね。

いずれにしろ問題は感性の低い聴き手側にあるわけですが…m(_ _)m



<出 演>
 ・ビリー・バッド:ジャック・インブライロ [Jacques Imbrailo]
 ・ヴィア(艦長):トビー・スペンス [Toby Spence]
 ・クラガート(先任衛兵長):ブラインドリー・シェラット [Brindley Sherratt]
 ・レッドバーン(副艦長):トーマス・オリーマンズ [Thomas Oliemans]
 ・フリント(航海長):デイヴィッド・ソアー [David Soar]
 ・ラトクリフ(海尉):トーベン・ユルゲンス [Torben Jürgens]

<合 唱> マドリード・レアル劇場合唱団, マドリード州立児童合唱団
<管弦楽> マドリード・レアル劇場管弦楽団
<指 揮> アイヴァー・ボルトン [Ivor Bolton]
<演 出> デボラ・ウォーナー [Deborah Warner]


収録:2017年2月9・12・22日 マドリード・レアル劇場(スペイン)

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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