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クリスティアン・ウィンザー・クリステンセン の『Almost in G』を聴く:現在のデンマークの現代音楽ですね


クリスティアン・ウィンザー・クリステンセン
(Christian Winther Christensen, 1977 - )
デンマーク音楽アカデミーでベント・セアンセンやハンス・エブラハムセンらに習い、その後パリ音楽院でフレデリック・デュリユーにも師事しています。長編のアンサンブル作品や管弦楽を得意としていますね。本人曰く、"ラッヘンマンやリゲティらの旧世代からの影響もあるが, 同時代の音楽家の影響はより大きい" そうです。
これを聞いても楽風は欧エクスペリメンタリズムの影響を受けている事がわかりますね。

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Almost in G
"... the embrace of the everyday ..."
C.W.クリステンセンの最新室内楽アルバムになります。ライナーノートには"私達の耳の聴き直し"と言うコラムがあり、サミュエル・ベケットの"Watt"を引用して、物というのは常に居場所を変えるものだ、とあります。ポケットで溶けたチョコが再び固まって形を変える様に、とも。演奏者のSCENATET*(セナテット)と共に我々の耳に新たな聴き直し(再構築)の楽しみを与えてくれた、のだそうです。
要は遠回しに"普通の音楽じゃないですよ"って言う事ですね。(爆)

* デンマークのオーフス・フェスの音楽監督であるアナ・ベーリト・アスプ・ クリステンセン(Anna Berit Asp Christensen)が設立したデンマークのアンサンブルですね。今回はエレキギターやエレクトロニクス(事前録音)といった多岐にわたるパターンで対応しています。





(D/L版はこちら)


Almost in G (2016年)
ト長調(tonality G)を主体として、テープと最後は全音音階を使っているそうです。
打楽器の様な弦楽器(多分w)の特殊奏法、"バチバチ・バシバシ・ゴシゴシ"とハジけまくります。次は細〜ぃロングボウイングにパルス的に凶暴な短旋律反復が割込みます。最後は砂漠の中の風と小生物みたいな… 完全にエクスペリメンタリズム、ノイズ実験音楽です。ノコギリの"ゴシゴシ"音が面白いですが、Gのキーに拘るのがもっと面白い?!


Sextet (2010, 2014年)
初期ルネッサンスの賛美歌を元にしているそうです。
これまたノイズ系で蒸気機関車の様なノコギリ音の様を背景に置いて、奇妙に美しい旋律とリズムが薄っすらと乗ります。そこにギ〜ッとノイズが。不気味に美しい面白さ!!


Chorale (2006, 2016-2017年)
事前録音のピアノにピアノを合わせながら、アコースティックギターとエレキギターを対比させているそうです。
ノイズのポリフォニーですね。それ以前に特殊奏法がキツイので楽器本来の音が不明ですw 勝手に即興的な演奏をしている様な。全部打楽器に聴こえますねぇ。


String Trio (2008-2009年)
これも古い曲をモチーフにしているそうです。
弦のグリッサンド音がちゃんと聴こえます。なんだかエフェクターの様な歪みがありますが、エレクトロニクス処理ではないでしょうね。ベートーベンの第9の引用もあったりして新しい展開かと思いきや、実はこれが一番古い曲だそうです。ここから病状悪化したんですねw


Nachtmusik (2010-2011年)
細かく静な背景音を作り、そこにキャンバスにペイントを投げつける様に音が乗ってくるのは一つのパターンですね。その時のノイズ音が年代毎に変化・進化している様です。後半は等拍的な強音連打になりますが、これもパターンの様です。
ここでは僅かに旋律感が残留物の様に残っていますね。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  "SPOR festival 2014" でのLiveで演奏もSCENATETですね。
  CDとはやや印象が異なります。



Being Apu Sarkar (2009年)
これも背景静音パターンですが、その中に例のノコギリ"ギコギコ"が登場します。これも等拍なんですね。そしてペイント投げ付け音がありません。最後はハミングの様な音も。


Four Hyper-Realistic Song (2014-2015年)
ノイズのポリフォニーです。無音の"間"を入れながら、若干の旋律感を残していますね。いずれゴシゴシゴシ…的ですがw その後はまた静音背景にペイント投げ付けパターンとノイズのポリフォニーが展開されます。



どう聴いてもH.ラッヘンマンの影響が大きとしか言えませんねぇ。バリバリの特殊奏法ノイズ実験音楽で、黙って聴いたら欧エクスペリメンタリズムです。ライナーノートにスコアのサンプルを載せて欲しかったですね。

この世界を垣間見たい人には是非おすすめしたいですね。楽器の演奏法に懐疑的になる事間違いなし。エッ、目から鱗ですか?!



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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