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デンマークの現代音楽:「ゲットストリング, getString」をシレジアン弦楽四重奏団で聴く


getString
Silesian String Quartet
6人のデンマーク現代音楽家の作品集ですね。全10曲ですが、モーテン・リースの小曲5曲(電子音楽)は他の5人の弦楽四重奏曲の間奏曲(とラスト曲)として挟まれています。コンセプトは "String quartet meets electronica - the result is effortless, virtuoso and colourful music" だそうです。

 ▶️ 北欧現代音楽CD(作曲家別)一覧

演奏はポーランドのシレジア弦楽四重奏団になります。以前ヘレナ・トゥルヴェの楽曲でも紹介していますね。








モーテン・リース
(Morten Riis, 1980- )
電子音楽を得意とするデンマークの現代音楽家で、現在はエレクトロニクスとコンピューターの音楽のエレメントをプログラミンング化し実行する為に力を注いでいるそうです。バリバリの電子音楽系ですね。

getString - fromString - useString - toString - quitString
 間奏曲的位置付け5曲ですから、各曲の後にインプレを付けますね。




イェンス・ヴォイト=ルンド
(Jens Voigt-Lund, 1971 - )
残念ながらプロフィールが不明です。

Circuitous, Mountains (1999年)
 特殊奏法構成の前衛です。ノイズ系で"グリグリ・キュルルル〜"で、まさに欧エクスペリメンタリズム標準仕様ですね。面白いのはノイズの中にグリッサンドの旋律感が乗っている処でしょう。欧前衛を聴き慣れていると安心感?がありますね。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?



getString (2009年)
 こちらの電子音楽もノイズです。静的空間に電波ノイズの様な複数の音が静音で反復しています。1'43"。



クリスティアン・ウィンザー・クリステンセン
(Christian Winther Christensen, 1977 - )
デンマーク音楽アカデミーでベント・セアンセンらに習い、その後パリ音楽院でフレデリック・デュリユーにも師事しています。長編のアンサンブル作品や管弦楽を得意としていますね。

String Quartet (2002-03年)
 間奏曲の響きに続く様に静的なノイズ空間を引き継ぎますね。より無音空間を生かします。そしてその中に刺激を与える様に特殊奏法を交えた弦音が混じります。空間に漲らせた緊張感が良いですね



fromString (2009年)
 ノイズですが弦楽器の特殊奏法でも出せそうな音色が密集度高く重なります。音飽和空間的ですね。1'12"。



イェクスパー・ホルメン
(Jexper Holmen, 1971/2/16 - )
ロイヤル・デンマーク音楽院でイブ・ノルホルム(Ib Nørholm)に学んでいます。インスタレーション系を得意としている様ですね。

ntend/Ascend (2000/02年)
 ここでも間奏曲を前奏曲的にして繋がります。と言う事で弦楽音の密集が高いですね。それも単音の反復で同期するリズムで、同期合奏的なモノフォニーです。特殊奏法も使い、旋律(引用かもしれません)を使ったホモフォニー的に変化させたりしますが同期リズムは崩しません。パターン変化の区切れ目は、特殊奏法ノイズを入れるので明確ですね。
強音チックで、ちょっとウストヴォーリスカヤを思い出しますがこれは素晴らしいです



useString (2009年)
 弦楽トリルに旋律が被った様な電子ノイズです。1'21"。



シモン・ステーン=アナセン
(Simon Steen-Andersen, 1976/4/24 - )
本ブログ一押しの前衛現代音楽家の一人で、コペンハーゲンで習った後 デンマーク国内のオケで在籍作曲家として活躍しています。現在ベルリン在住で、2018年からはスイスのベルン芸術大学で作曲の教授職にもついています。2017年の来日に気がつかなかったのは大失敗でした。(汗)

String Quartet (1999年)
 間奏曲とは少し異なり音の重なりは多くなく、ロングトーンと特殊奏法ノイズです。空間系のサウンドでしょう。そしてピチカート・グリッサンド等々で色合い付をして変化を与えます。至る処 緊張感が空間に張り詰めている感じがいいですね。
前回紹介に続き本作品も少々古いのですが、欧州エクスペリメンタリズム王道的な弦楽四重奏曲です。



toString (2009年)
 弦楽器のロングトーンにノイズが絡む様な音。1'33"。



シモン・クリステンセン
(Simon Christensen, 1971 - )
デンマーク音楽アカデミーとパリ音楽院で習っています。デンマーク国立交響楽団や本シレジアン弦楽四重奏団からの委嘱も受けていますね。米映画作品とのコラボも多い様です。

Towards Nothingness (2008年)
 無調ですが明確な旋律を持つ四つの弦楽器のポリフォニーです。それぞれは短旋律反復で、ポスト・ミニマル的かもしれません。時折、異なる旋律が飛び込んできますが流れは陶酔的です。後半はグリグリの反復ノイズ系に変貌して終わります。独特の和声さえも感じる面白さがありますね。



quitString (2009年)
 タイトル通り最後の曲は少し長い4'38"です。静的な信号ノイズがクレシェンドし、ポツポツとしてノイズも入ってきます。静的混沌系でピークになってからディミヌエンドします。ふぅ〜ん、って言う感じでしょうか。




前衛弦楽四重奏曲とその間奏曲にノイズ系エレクトロニクスを挟んでいます。その企画はどこかにあった様な気もしますが、前衛らしい素晴らしさを生かして楽しめるアルバムに仕上がっていますね。

特に弦楽四重奏、こりゃヤバイですね。この顔ぶれが今後どんな活躍をするのか目が離せません。強力おすすめの一枚です!!





テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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